金融商品に投資した時に、どの程度儲けられるかを把握しておくのは大事ですよね。そんなときに、期待収益率とリスクプレミアムという考え方を使って考えると便利です。
リスクプレミアムやら期待収益率というのは、自分で投資計画と立てるときにも使いますが、用途としてはそれだけでは有りません。小額の個人投資家の場合はそれ以上に、機関投資家の投資計画を参考にする時の基礎知識として知っておきたい言葉です。
期待収益率とは
まずは、期待収益率についてみてみましょう。
期待収益率は、期待リターンとも呼ばれます。使用頻度としては、Google の検索結果を見ると、期待収益率の方が若干高いようですね。ただ、どちらの言い方もよく見ます。
期待収益率というのは、簡単に言うと、1年後に金融商品の価値がどの程度あがるかという考え方です。100万円のものが1年後に105万円になると期待されれば、期待収益率は5%ということになります。
もちろん、勝手に期待しても駄目ですよ。過去のデータを見て、どの程度上がるかを想定します。過去の平均を取ったりして予想をするわけです。
年金基金などの機関投資家は、各金融商品の期待収益率を想定した上でポートフォリオを作成します。国内外の株式や国内外の債券を組み合わせる事で、全体としてどの程度のリターンを目指すのかといった話をするわけです。
ですから、機関投資家にとっては、無くてはならない数字と言えます。
リスクプレミアムとは
次にリスクプレミアムの定義を見ておきましょう。野村證券の用語集から引用します。
リスクプレミアム(りすくぷれみあむ)
証券の期待収益率と無リスク金利との差。
同じ投資期間内において、あるリスク資産の期待収益率が、無リスク資産の収益率を上回る幅のこと。たとえていうならば、投資家が、株式という価格が変動するものに投資をするために、価格の変動しないものと比較をして、どのくらい見返りが大きければ、投資をする気になるのか、その度合いを表す。
ちょっと分かりづらいですが、まずこの定義から言えるのは、「期待収益率=無リスク金利+リスクプレミアム」という関係があるということです。無リスク金利というのは、一般的には、長期金利を使います。
国債などを償還まで保有し続けるような場合を除き、投資には価格変動のリスクがあります。そしてリスクを取るからには、当然ですが、高いリターンが期待されます。
運用でリスクを取った場合に、無リスクの場合比べどの程度収益率が大きいかを、リスクプレミアムとして定義するのです。ということは、当然ですが、ハイリスクハイリターンの商品ほどリスクプレミアムは大きくなります。
例を挙げて考えてみましょう
例えば長期の株式に投資を計画していたとします。具体的には100万円を株式に投資することにしたとしましょう。そして、1年後の株価の予想をしたところ、予想の平均が108万円になったとします。
株式投資なので上手くいくケースも失敗するケースもあると思います。色々なケースを平均すると8万円のプラスという予想が出たということですね。
1年で8%のプラスになると言うことですから、この場合の期待収益率は8%と言うことになります。
そして投資する時点の長期金利が1%だったとすると、定義からリスクプレミアムは7%ということになります。株式に投資するというリスクを取ることで、年7%の超過の収益が期待できるというイメージですね。
新聞(一般紙)では使われていませんでした
ちなみに、「期待収益率」や「リスクプレミアム」という単語は、新聞記事の中では基本的に使われていないようです。
さすがに日経新聞の中では見かけますけどね。Yahoo!ニュースで検索する限り、大手新聞社の記事の中に、これらの単語は出てきません。
ところが、ブルームバーグやロイターの記事では、「期待収益率」も「リスクプレミアム」も使われているようです。もしかして、日本の一般紙の経済記事って、レベルが低いのでしょうか。
゛(・・ ンッ?
なんて驚いてみましたが、日本の一般紙の経済記事があてにならないのは、よく知られた話です。株価が上がっても、「庶民の暮らしには影響ない」とか、平気で書き続ける人たちですから。1
まあ、新聞では出てきませんが、「期待収益率(期待リターン)」「リスクプレミアム」あたりは専門家の議論ではよく使われる用語です。是非覚えておくことをおすすめします。
- 2019年2月追記:最近になっても、「実質賃金が下がったからアベノミクスは失敗だ」とか言っているようですね。実質賃金の定義からしたら、一人一人の賃金が増えても実質賃金が下がることが有るんですけどね。それがわからないとしたら、メディアとして価値はありません。まあ、政権批判のために、本当はわかっているのに気づかないふりをしている可能性もありますけど。 [↩]
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