これから資産運用を始めようという人の中には、まず本や雑誌を読んで勉強しようという人も少なくないはずです。そして、一般的には、書籍を使って勉強するのは良いことだとされています。
しかし、資産運用に関しては、書籍での勉強には思わぬ罠が潜んでいるかもしれません。というのも、読んだら害になるような本が、かなり売られているのです。
本選びを間違うと、時間を使って間違った情報をインプットすることにもなりかねません。
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本を読んで勉強すると損をする?
資産運用の知識を得る方法として、投資関連書籍を読んで勉強するという方法があります。自分で資産運用をしたいと思う方の多くは、この方法を選ぶでしょう。
ただ、この方法をとるのは問題があります。何が問題かというと、初心者向けの投資本や資産運用本は、内容に問題があることが多いからです。かなり高い確率で、問題がある本を手にとってしまうことでしょう。
もちろん、優れた本も有るのです。でも、内容的に優れた本は、門外漢にはちょと難しく感じられることも多いようです。
しっかり説明しようと思うと、どうしても専門的な内容が含まれるからでしょうね。どんなに優しく書いてあっても、専門的な話には多少の難しさはつきまといます。
また、どの本が内容的に優れていて、どの本がだめな本かは、表紙を見ただけではわかりません。結局、初心者には、良いほんとそうでない本を見分けるのが難しいという問題もあります。
このように、本当に悩ましい問題なのです。
さて、問題がある投資入門書は次の2つのタイプに分けられます。このページでは、とりあえず、良くない投資本にどんな不利益が有るのかをみてみましょう。
基礎的な内容が間違っている本が多い
問題のある書籍の一つ目は、書かれている内容の方向性は正しいものの、基本的な内容の事実誤認が多い本です。それなりの肩書の人が書いているにもかかわらず、基本的な部分の間違が有ったりするのです。
意外に思われるかもしれませんが、投資理論の基礎的な部分などで間違っている本は、意外と多いです。とくに、ファイナンシャルプランナーや金融系のジャーナリストを名乗っている人の本には間違いが多いように思います。
彼らは広く薄く知識を蓄えます。ですから、個々の分野の知識としては、素人に毛が生えた程度という事が多いのではないでしょうか。
もちろん、詳しい人もいますけどね。
ただ、内容的に明らかに間違っていても、投資初心者が気づくのは難しい事が多いでしょう。知らない人に間違った知識を与えると言う意味では、かなり問題ですね。
リスクとリターンに関する無知
これまで見てきた本の中で、特によく見かけるのが、リスクとリターンに関する誤解です。ハイリスク・ハイリターンの説明で、次のように説明されているのを何度かみています。
「リスクが大きい金融商品は価格変動が大きい。だから、リスクが大きい商品では、価格が高いときに売れば、大きなリターンが得られる。」
これは明らかな間違いで、投資で言うリターンは1年後の収益のことです。わかり易い例でいうと、金利1%の銀行預金なら、リターンは1%ということですね。
ただ、株式や投資信託では、確定的なリターンが分かりません。そこで、投資する段階では、過去のパフォーマンスから予想されるリターンの平均値を出します。
ハイリスク・ハイリターンとういのは、リスクが大きい金融商品だと、この予想されるリターンが大きくなるという意味です。銀行預金が1%なら、リスクの大きい株式投資のリターンは6%になるという具合ですね。
ですから、価格変動が大きいからタイミングを掴むと大きく儲けられると言う説明は完全に間違いなのです。「本を出す前に誰か気づかなかったのか?」というレベルの酷さです。
でも、この手の間違いって、よく見るんですよねえ。
個人の成功体験を普遍的なルールと勘違いしている本は危険
もう一つは、個人の成功体験に基づいて書いてある本です。「私はこんなふうにしたらうまく行ったから、あなたもやってみなさいよ」と言う感じの本ですね。
これらの本は、たまたまタイミングなどの状況が良く、著者の投資がうまく行ったというケースがほとんどです。それなのに、自分の成功体験を普遍的なルールであるかのような書き方がされています。
例えば、株で大儲けした人が書いた本が有ったとします。よくよく見てみたら、株式市場全体が上がっている時期に、売買しているだけという話でした。
しかも、大きく儲けられたのは、信用取引というリスクの大きな手法を使ったからに過ぎなかったりします。つまり、たまたま運が良かったのです。
違った時期に同じ方法で投資をしても、儲けることは難しいでしょう。それどころか、大損する可能性もあるのです。
本に書いてある内容を信じて投資をしたら、大変危険です。
でも、これも、投資の初心者には検証が難しいんですよね。しかも、個人投資家の体験本という形式なので、読みやすさという意味では本格的な入門書よりも読みやすい事が多いのです。
「とりあえず易しそうな本を」と選んだ本で、大怪我をする可能性も大きいわけです。
初心者が良い投資入門書を探すのは難しい
もちろん、資産運用の入門書は酷い本ばかりではありません。それでも、かなりの確率で、上に書いたような問題の有る本があります。本当に不思議なのですが、資産運用の入門書に関しては、酷いものが多いです。
何も知識がない人が、本屋などで良い本を選ぶのはほとんど不可能です。ですから、一般的な方法ですが、書籍から知識を得るのはとても危険な方法と言えます。
それではどうすれば良いかというと、信頼できる人が書いた本や推奨している本を選ぶしかないでしょう。このサイトの中でも紹介していけたらと思っています。
ちなみに、一つ上げておくと、山崎元氏の本はおすすめできます。丁寧に解説された、初心者向けの書籍も少なくありません。
ただ、ちょっと難しいと感じる人もいるかもしれませんが。まあ、おすすめです。
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