色々なところで書かれたり発言されたりしていることではありますが、大事なことなので確認しておきましょう。
「元本保証の金融商品は物価の上昇に非常に弱いです。安全な投資先のつもりで元本保証を選んでも、実質的には資産を減らす可能性も大きいのです。ですから、元本保証の金融商品だけで資産運用すると言うのは避けないといけません。
実際の金額が減らなければ安全と思ってしまう気持ちは分かります。でも、資産の価値と言う意味では、大きく減っている可能性もあるのです。このことは、十分に考えないといけません。
安全な資産運用を望む人の中には、元本保証の商品を希望する人が多いです。100万円投資したのが95万円に減る可能性があるなんて許容できないという発想ですよね。
この感覚は、確かに理解しやすいですよね。見た目の金額が減る可能性があるなんて、誰でも嫌ですから。
しかし、元本保証は本当は安全ではないかもしれません。物価の上昇に弱いのです。金利などで儲けたと思っても、物価の上昇を考慮したらマイナスだったなんてことも起こりうるわけですね。
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物価が3%上昇したら
物価が上昇すると、どんなことが起こるのか考えてみましょう。例えば、1万円で金利が年1%の商品を買ったとします。10年以上の地方債だと、このくらいの感じが多いでしょうか。
そして、その年に物価が3%上昇したとしましょう。今のインフレ率だと高く感じますが、緩やかなインフレと言って良い範囲でしょう。別に特別な話ではありません。
税金を無視して考えると、こんな場合、1年後には資産は1万100円に増えています。金利が1%つくからあたりまえですね。
しかし、インフレまで考慮すると、今の価値で9,800円に目減りしたのと同じことになるのです。つまり、実質では損をしたわけですね。
もちろん、3%程度のインフレが1年あっただけだったら、問題はそれほど大きくありません。ちょっと損をしただけの話ですよね。
しかし、過去にはもっと大きなインフレも起こっています。また、何年にもわたって3%のインフレが続くかもしれません。
可能性という意味では、そういう心配もしないといけないでしょう。
理屈の上では誰でも分かるんだけどね
上に書いたような話は、理屈の上での理解は難しくないでしょう。金利が固定の商品なら、インフレで資産が目減りをするというのは常識です。それを避けることは考えないといけません。
しかし、実際に行動に移すとなると、また別の問題のようです。なかなか元本割れの可能性がある金融商品には手を出せないものです。
確かに、これまで預貯金で運用してきた人に、株式の投資信託やらREIT を買えといっても難しいでしょうね。そのこと自体は理解できなくありません。
とは言え、政府・日銀が金利を抑えながらの緩やかなインフレを目指している以上、インフレ対策は無視できない問題です。いきなり全部とは言いませんが、可能な範囲でインフレ対策の商品への投資を検討してみるのも重要です。
また、分散投資を利用することでリスクが小さく出来ることも、あわせて理解しておくと良いでしょう。
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まずは確定拠出年金(個人型)を検討しよう
個人の資産運用で一番有利な金融商品は、何と言っても確定拠出年金(個人型)でしょう。いわゆるiDeCo のことです。
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