ある本を読んでいたら、中国のGDP が46%が不動産投資というような記述がありました。国内で生み出される付加価値の約半分が、不動産関連のもので占められるという事ですよね。
半分が不動産関連の投資と言うことになると、中国のGDP 自体がかなり張りぼてのような感じですよね。ですから率直に言って、この記述はにわかには信じられませんでした。
そこで、ちょっと調査してみることに。
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5割近い総固定資本形成
そうすると、BRICs 辞典というサイトに、2010年の中国のGDPの内訳比率で、総固定資本形成が47%という記述がありました。数字の近さから言うと、どうやらこの数字のことを言っているようです。
ちなみに総固定資本形成というのは、ざっくり言うと、設備や建物への投資だと考えれば良さそうです。個人が住宅を買っても、政府が公共事業をやっても、総固定資本形成が増えることになります。全てが不動産関連と言うわけではないですが、かなりの部分で不動産関連の投資により生み出されると考えて良さそうですね。
ということで、GDP の半分が不動産関連というのは多少誇張した表現ではありそうです。しかし、全くのデタラメとも言えない事が分かります。
不動産投資がGDP の半分という中国の状況は特殊だろうと思い、他国の様子も調べてみました。そうすると、先進国だと20%を切るくらいの水準の国が多いようですね。新興国でも30%程度でしょうか。やっぱり、中国の47%というのはかなりいびつであると考えられます。
ちなみに、内閣府のサイト内に、次のような記述も見つけました。
投資規模の大きさについて名目経済成長率に占める総固定資本形成の割合(投資率)から国際比較を行うと、中国における投資率は、近年高成長を続けるインド、インドネシアと比較しても10%ポイント以上、日本、アメリカ、ドイツと比較すると約2倍の差があり、中国の投資率の高さが浮き彫りとなっている(第2-2-3図)。
■ 世界経済の潮流 2012年I > 第2章 > 第2節 > 1.軟着陸を模索する中国経済:投資主導による経済成長の限界
多少おとなしめの表現ですが、内閣府も似たようなことを書いているのが分かります。
不動産バブルと言われるのも納得
以上のように、GDP の中の総固定資本形成の割合を見ると、中国ではかなりのお金が不動産に割かれているのがわかります。中国で不動産バブルが起きていると言われても、不思議ではありませんね。また、中国の経済成長の裏には、巨額の公共投資があった事も容易に想像されます。
しかし、中国の現政権は不動産バブルつぶしを行っているようにも見えます。そうなった場合、総固定資本形成の割合が下がるのは避けられないでしょう。ただこうなると、景気の減速による問題も出てきそうです。例えば、失業問題が深刻化なんて避けられないでしょう。
率直に言って、この点だけでもハンドリングが難しい問題のようです。どうするのかなあ。
何にしても、総固定資本形成が中国GDP の半分近くを占めるという事実は覚えてと良さそうです。これを知っているだけで、中国関連のニュースの裏側を理解するのに相当役に立ちそうです。
■ 中国発の金融危機は無い話じゃないのかも| 不動産バブル崩壊からの金融恐慌なんて勘弁してよね
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タグ: GDP(国内総生産)と経済成長率とGDPデフレーター





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