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ラップ口座なんて良いこと無いと思うんだけどなあ

運用資産の額を見てみると、ラップ口座を利用している人は少なくないようです。これは本当に意外です。

なぜ意外かと言うと、率直に言って、ラップ口座というのは、手数料の高い粗悪な金融商品としか思えないからです。ラップ口座の何が問題なのかを確認してみましょう。

金融機関は売る気満々みたいですね

三井住友信託銀行がラップ口座の契約を増やしたいと考えているそうです。社長がインタビューで答えているみたいです。

<三井住友信託銀>「ラップ口座」契約拡大の方針…常陰社長(毎日新聞)

ラップ口座と言うのは、馴染みが無い人も多いと思います。簡単に言うと、運用の丸投げ事を言います。

例えば、1億円をラップ口座で運用したとします。最初に金融機関と運用方針を相談します。あとは、その方針に従って、金融機関が独自に運用を行ないます。そして個人投資家は、その対価として、毎年一定の手数料を支払う事になります。手数料体系は様々みたいですけどね。

ラップ口座では、リスクは基本的に投資家が負うというのも特徴の一つでしょう。投資家がリスクを負うというのは、要するに、大きく損をしても金融機関は何も補填してはくれないということです。

その意味では、投資信託に似た商品だと思ってください。

ラップ口座は意外と小額から利用できる

ところで、ラップ口座と言うのは、本来は富裕層向けのサービスでした。しかし、一部のラップ口座は数百万円単位で利用できるようです。

例えば、今回記事になっていた三井住友信託銀行だと、500万円から利用可能だとか。500万円は決して少ない額ではありませんが、庶民に手が出せない額でもありませんよね。

会社の退職金などの形で、一時的にそのくらいのお金を手にする人はいるはずですよね。また、月に3万円ずつ貯めていけば、14年弱で貯まる額でもあります。

庶民でも十分に利用できそうな商品であると言って良いでしょう。

500万円の資産をまともに運用してくれるのか?

ところで、500万円程度の額を、金融のプロがまともに運用してくれるのでしょうか?これには、多少疑問があります。

ラップ口座の手数料は、金融機関によって様々なようです。仮に、運用資産の2%を年間手数料として取られるとして計算してみましょう。最低額の500万円で運用を任せるとすると、年間10万円を手数料として支払う事になります。

おそらく、たった10万円では、金融機関の人は時間をかけて運用なんてしてくれないでしょう。金融機関で働く人は、そもそもが高給取りです。運用を任されるとなると、その中でも給与が高い人が担当することになるでしょうからね。

10万円で運用できるとすれば、同じような志向を持っている人をグループにして、まとめて運用するのでしょうか?その程度の額で運用するとなると、やり方としてはそのくらいしかなさそうです。

ちなみに、最初に紹介した記事の三井住友信託銀行のファンドラップという商品だと、10のタイプの中から選ばせると言うことをするようです。グループ化をして運用をするということですね。

仮に完全にオーダーメイドのラップ口座を作るとなると、三井住友信託銀行の場合は3,000万円以上からなのだとか。個人的には、3,000万円でも採算が合うのか疑問ですけどね。

そもそもプロが運用するから上手くいくというのは幻想

そもそも、プロに任せれば上手くいくというのは幻想です。その証拠に、日本株に投資する投資信託の半数以上が、日経平均に勝つ事が出来ないのです。ラップ口座なら上手くいくなんていう保証は、どこにもありません。

手数料を余分に取られる分だけ、むしろ損をする可能性の方が高いと思います。ラップ口座などというものに投資するなら、手数料の安い投資信託でも買った方が遥かにマシでしょう。

ラップ口座に使うお金があったら、お金を払って専門家にアドバイスを貰う方がマシ

手数料で年間10万円も取られるのだとすれば、専門家にアドバイスでも聞いたほうが良いような気がします。金融機関とは関係ないところで、投資のアドバイスをしてくれる人を探す事をおすすめします。

おそらく10万円出せば、相談に応じてくれる専門家はいるはずです。まあ、そういった専門家を探しだすのは、簡単な事ではないですけどね。

運用相談と言う事なら、投資顧問という仕事をしている人を探すことになります。投資顧問と呼ばれる人の中には、個人に対して運用相談にのっている人もすくなくありません。

ただ投資顧問の中には、長期的な運用計画ではなく、ギャンブル的に株価の上げ下げの予想をするような人も多数います。こういう人にかかわると、長期的な運用のアドバイスを貰うのは難しいでしょう。

投資相談と言うと、ファイナンシャルプランナーを思い出す人も多いでしょう。ただ、ファイナンシャルプランナーは運用に関しては素人と言う事が多いです。ですから、基本的には、運用の相談をする相手としてはあまり向いていません。

それにファイナンシャルプランナーでも、運用の相談をするには投資顧問の免許が必要です。結局、投資顧問に運用の相談を頼む事になるわけです。

投資顧問には胡散臭い人も多いですからね。見極めるのはなかなか大変な作業かもしれません。

バランス型の投信という手も

専門家を探すのが難しければ、バランス型の投資信託を利用するという手もあります。

この手の投資信託は手数料が高いので、個人的にはあまり好きではありません。それでも、ラップ口座に比べれば、手数料の点で遥かにマシだと思います。

追記:ラップ口座やファンドラップに対する報道が減ってきたようです

最近、ニュースサイトなどで、ラップ口座やファンドラップと言った単語を目にしなくなったような気がします。一時はすごい頻度で見ていたんですけどね。ここ数か月は目にした記憶がありません。

単純に私が見落としているのかと思い、Yahoo!ニュースで検索してみました。すると「ラップ口座」という単語は2017年10月(19日まで)に2回、2017年9月に1回、2017年8月に4回しか記事になっていませんでした。確かに、あまり扱われなくなっているようですね。

これはGoogle Trends の結果を見ても確認できます。2017年10月19日から過去5年の検索は、下のように推移しています。ピークに比べて、明らかに検索が減っているのが見て取れます。

やっぱり、世間の関心は薄れてきているようですね。

残高自体はまだ増加している

ところが、ラップ口座の残高自体はまだ増えているのだそうです。日経新聞によると、ラップ口座の残高は2017年6月末時点で過去最高の6.9兆円まで増えたのだとか。1

もっとも、残高が増えたのは、日本株が好調だったためかもしれませんけどね。株価が増えれば、当然ですが、ラップ口座の残高も増えますから。

このあたりは、まじめに調べないとわかりません。

参考:ラップ口座って、こんなふうにして売っているのかも

率直に言って、これだけ評判がわるいラップ口座を、金融機関はどうやって売っているのでしょうか。そのヒントが、ある記事の中にありました。

具体的には、JBpress というところの「ファンドラップを『勉強代』と考え活用する」という記事です。2 もしかしたら、この記事に書かれているような方法で営業をしているのかもしれません。

気になる部分を引用してみましょう。

パフォーマンスの不透明感が高まるなかで、ファンドラップはどう活用すればよいでしょうか。たとえば、ファンドラップを資産全体の配分を考える参考値にする方法があります。投資資産の一部をファンドラップに回して、その資産配分やリバランス内容、大きな出来事が起きた場合の対応などを参考にして、他の資産の保全や拡大をめざすのです。

たとえば、3000万円の投資資産の10%、300万円をファンドラップに投資します。投資にあたってのコンサルティングや実際の資産配分を参考に、残り2700万円を投資します。300万円にかかる運用コストを、専門家による“勉強代”と考えるわけです。

ファンドラップはラップ口座の一種です。投資信託で運用するラップ口座なので、ファンドラップと呼ばれます。

引用した部分に至る前に、記事の中で、ファンドラップは手数料が高い上に手数料が不透明という説明がありました。その上で、このような記述があったわけです。

それにしても、なんか、滅茶苦茶な理屈だと思いませんか。というのも、「パフォーマンスの不透明感が高まる」ものをなんで参考にしないといけないのでしょうか。

「ファンドラップはどう活用すればよいでしょう」という書き方からして、活用することを前提としているのが分かります。でも、一般的には、不透明な金融商品なんて無視するだけですよね。なんでそんなもんを、わざわざ使わなければ行けないのでしょう。

もっと上手なやり方がいくつも存在する

それに、参考にするのなら、もっと勉強に適したものが有るでしょう。例えば、公的年金の年金積立金の運用を参考にしてもいいですね。

公的年金の運用に関しては、かなり情報開示しています。サイトにアップされているので、誰でも確認することが可能です。

あるいは投資信託は、運用報告書という形で持っている資産を公開しています。これを使えば、簡単にプロの具体的な運用が学べるでしょう。

さらに、ファンド・オブ・ファンズという投資信託という、投資信託で運用する投資信託もあります。これを見れば、プロのポートフォリオを真似ることも簡単なのです。

ファンド・オブ・ファンズは、手数料が高いため、自分で買うのはお勧めできません。でも、参考にするというのでしたら、それなりに価値は有るでしょう。

少なくとも、300万円を出してファンドラップを真似する程度の価値はあります。もちろん、ファンド・オブ・ファンズの方は、真似するだけなら無料です。

勉強目的で年9万円出すの

それに、勉強の代金としても、高すぎると思われます。

例えば、ファンドラップの手数料が年3%であるとしましょう。300万円で運用すると、手数料は年間9万円です。10年運用すれば90万円ですね。

どう考えたって、こんなもの、勉強の費用として法外です。お金をかけて勉強するにしても、もっと安く学ぶ方法はいくらでもあります。

そもそも、ファンドラップの運用をする人が、上手に運用できるのかと言う問題もありますしね。

率直に言って、300万円なんて言う額は、銀行や証券会社にとってははした金です。そんな金額のために、どれだけの力を割いてくれるのか、甚だ疑問です。そんなもので、本当に勉強になるのかという疑問もあります。

上にも書きましたが、手数料は年間9万円程度です。私達にとっては大きな額ですが、金融機関にとっては、この金額のために大きなリソースを割くわけにはいきません。

それに、そもそも、90万円もトータルで勉強代を払うなら、専門家に相談した方がいいでしょう。コンサルだけなら、10万円もかからないでしょうし。なんで運用を任せる必要が有るのか、全く疑問です。

何がもったいないのだろう

ちなみに、記事の最後で、次のようなことも書かれていました。

ファンドラップの勉強代は比較的高くなるかもしれませんが、投資リターンも期待できます。運用コストが高いから投資しない――という見方はシンプルでわかりやすいですが、ファンドラップの仕組みを考えるともったいない気もします。

手数料が高い商品で、なんでリターンが期待できるのでしょうか。株式のリターンが、せいぜい年5%とか6%程度でしょう。ファンドラップに数パーセントの手数料を取られたら、リターなど期待できるはずがありません。

「ファンドラップの仕組みを考えるともったいない」という部分も、よくわからないですしね。これ以外にも、金融商品は、掃いて捨てるほどありますから。

とりあえず、この記事を書いた人は、ファンドラップを徹底的に批判できる立場にはなさそうですね。そして、資産の全部でなく、一部だけでもファンドラップに移そうとする感じは、いかにもなセールストークとしか思えません。

多分、金融機関の営業って、ちょっと知識がある客にはこういうセールストークをしているのでしょうね。「勉強にもなりますから、500万円だけでも」とか言って。

そう感じさせる記事でした。


  1. ラップ口座残高、最高の6.9兆円 6月末
    2017/9/7 21:29 日本経済新聞 []
  2. ファンドラップを「勉強代」と考え活用する
    2018/12/18(火) 6:00配信 JBpress []

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