投資信託の中には、海外の投資信託のみに投資する投資信託というのも存在します。しかも、その手数料が、もともとの海外投信と比べてかなり高くなっています。こんな投資信託に間違って投資しないようにすることが大事です。気をつけましょうね。
海外の投資信託を買うだけの投資信託
以前、新光投信の短期ハイイールド債券ファンド ヘッジあり(愛称: ヴィンテージ)という投資信託について紹介しました。みずほ証券で買える投資信託です。まあ、紹介したと言っても、パンフレットの出来が良いという紹介のしかたでしたけどね。
ところでこの投信は、実は、海外の投資信託を買うだけの投資信託です。直接債券を買って運用するのではなく、債券に投資する投信を買うのです。具体的には、「SDHY円ヘッジユニット」と「日本短期公社債マザーファンド」という2つの投信で運用します。いわゆるファンドオブファンズというやつですね。1
ただ、日本短期公社債マザーファンドは財布のようなファンドです。ですから実質的には、SDHY円ヘッジユニットを買うだけのファンドと言って良いでしょう。一つのファンドを買うファンドをファンドオブファンズと言って良いものかどうか、ちょっと疑問です。
まとめると、運用会社である新光投信株式会社ではこの投信の売買指示をする事だけです。運用に関しては、これ以外別段することはないのです。もちろん、運用以外の細々とした仕事はあるのでしょうけどね。
これを運用と言うのかどうか、ちょっと疑問です。
投信を買うだけのファンドなのに手数料が高い
ところでこのファンドを買うと、投資家は年1.134%もの信託報酬という手数料を取られます。大雑把に言って、100万円分のファンドを買うと、1万円以上の手数料を取られるわけです。基準価額の変動によっては、もっと少ない可能性もありますけど。
これって、どう考えても高いですよね。だって上で書いたように、投資信託を運用する人は、一つの別の投信を買うだけなのです。それだけのことに対して、10年ものの日本国債の利率より高い手数料を取られるのです。常識的に考えて、馬鹿馬鹿しい選択だと思います。
さらに言うと、この投信が投資するSDHY円ヘッジユニットの信託報酬は、0.50%程度なのだそうです。つまり、私たちが払う賞味の手数料としては、上の1.134%に0.50%が上乗せされるわけです。
これも変な話だと思いませんか?だって、私たちが投資する短期ハイイールド債券ファンドは、実際に債券を買って運用するSDHY円ヘッジユニットよりも手数料を多く取っているのです。どう考えたって、まともに仕事をしているのは、SDHY円ヘッジユニットの方ですよね。
これって、消費者を小ばかにしたような話に思えてなりません。
ファンドオブファンズは手数料が高くなりがちだが
はっきり言って、多くの消費者は、このことを知らないで投資するのでしょう。投資信託を買うだけの仕事に、1%以上の手数料が上乗せされているなんて気づきもしないでしょう。感じ悪いです。
まあ、金融機関のスタンスなんて、こんなもんですけどね。気を抜いていると、高いものを買わされる羽目になりますよ。何とかして高い手数料払わせるのが彼らの仕事と言っても過言ではありませんから。
こういうことに気づいて、投資をやめるのも金融リテラシーの一部です。
一般的にファンドオブファンズは、手数料が高くなる傾向があるようです。私たちが買う投資信託自身の手数料に加えて、買い付けた投資信託にも手数料がかかるからです。つまり2本分の手数料を取られる計算ですね。
はっきり言って、2本分も手数料を払ったら、運用なんて上手くいくはずがありません。という事で、ファンドオブファンズは基本的にお勧めできません。
しかし、そのファンドオブファンズと比べても今回の投資信託は酷いなあという印象です。個人投資家は、完全になめられていますね。
- ファンドオブファンズというのは、投資信託に投資をする投資信託という事です。意外と種類が多いようですね。 [↩]
投資信託で運用するなら、どの証券会社を選ぶ?
投資信託を使って運用する場合、意外と金融機関選びが大事です。取り扱う投資信託の本数が金融機関によって違いますし、積立ての仕様も金融機関によって大きく異なるからです。
おすすめはSBI証券です。買い付け可能な投資信託の本数が多く、少額から積み立てることができる証券会社です。
また、顧客満足度が高いことでも知られています。

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