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養老保険「新フリープラン」を積極販売?| かんぽ生命は何を考えている

養老保険という貯蓄型の保険を、かんぽ生命は積極的に販売するそうです。

低金利の時代に、固定金利の貯蓄型の保険を積極販売ですか?こういう時期に、こんな保険を積極的に売るのは、いかがなものでしょう。
販売姿勢として疑問を感じます。

間違っても、選ばないようにしたい保険です。

テレビCMを流してまで養老保険を売るかんぽ生命

先日、テレビを見ていたら、「新フリープラン」という商品のCMが流れていました。「新フリープラン」というのはかんぽ生命の商品で、養老保険と呼ばれるタイプのです。

ご存知のように、テレビのCMというのは、一本作るのにもそれなりにお金がかかります。ということは、テレビCMを流しているということは、この保険を積極的に売りたいという、かんぽ生命の意思表示とも読み取れます。

CMを見ていると、どうも、家庭を持っていない若い人を加入させたいようです。でも、正直に言って、このメッセージにはかなりの違和感を感じました。

なぜ養老保険?しかも若い人に??

時代に合わない養老保険

まず養老保険について簡単にみてみましょう。

養老保険というのは、貯蓄型の保険です。契約した段階で満期保険金が決まっている、いわば固定金利の商品といっていいでしょう。

固定金利型の商品ということは、将来的に金利の上昇があっても、そのメリットを受けられないということです。ということは、金利が低い時期に契約すると不利ということですね。

しかも、貯蓄型の保険は、解約しにくい金融商品と言えます。1 というのも、途中解約をすると元本割れのリスクが大きいからです。

ですから、契約の途中で現金化するときには、元本割れを覚悟で解約をする必要があります。あるいは、条件が悪いと知りつつ、保険契約を続けないといけないのです。

ということは、「新フリープラン」と言う商品は、どちらかと言うと避けるべき商品といえます。特に、現在のように低金利の時には、絶対に選ぶべきではありません。

解約しづらいのは大きなデメリット

金融商品選びで大事なポイントの一つが、柔軟に解約できるかどうかという点です。必要なときに現金化し辛いとなると、金融商品としての使い勝手が悪くなるわけですね。

そして、上にも書きましたが、養老保険というのは、解約しづらい金融商品です。 ですから、大きなデメリットを抱えている金融商品と言えるわけです。

解約できないと市場環境の変化に対応できない

養老保険のような固定金利の商品だと、解約できなくて不利なのは、市場の金利が上昇したケースでしょうか。市場金利が上昇すれば、当然ですが、他の金融商品に乗り換えたほうが有利になります。

しかし、解約しづらい金融商品と契約していれば、不利なのを承知で現在の契約を続けないといけません。

解約し辛いのが不利な点であれば、このデメリットに見合ったメリットがほしいですよね。しかし、養老保険にはそれに見合うようなメリットが有るとも思えません。

お金が必要なときに現金化出来ない

もちろん、お金が必要なときに現金化出来ないのも、大きな問題です。必要なときに現金化出来ないのでしたら、何のための金融商品かわかりませんからね。

養老保険は、基本的には、現金化したければいつでも解約が出来ます。しかし、上にも書きましたが、元本割れするケースが多いのです。

しかも、結構大きな元本割れをする可能性もあります。その意味では、現金化しづらい金融商品と言えるわけです。

ちなみに、貯蓄型の生命保険に入っている場合は、解約しないで生保会社からお金を借りるということも可能です。入っている保険を担保に、お金が借りられるのです。 契約者貸付制度 と言います。

一応こういう仕組みも有るので、多少の救済にはなるのですけどね。でも、やっぱり、流動性に関しては、微妙な商品と言わざるを得ません。

経営姿勢に疑問を感じる

そんな商品をCMまで流して積極的に売りたがるという行為は、どうにも納得できません。売れれば何でもいいという事なのでしょうか。

少なくとも、そう受け取られても仕方がないですよね。明らかに契約者にとっと不利な商品ですから。

そもそも生保各社では、最近は養老保険を積極的に勧めたりはしない事がおおいでしょう。なぜかんぽ生命だけが積極的に売ろうとするのでしょう。

本当に疑問です。

未婚の世帯で生命保険は要らない

もう一つ疑問なのが、未婚の若い人にも生命保険を売ろうとしているという点です。

一般に、単身世帯では生命保険に入る必要はないとされています。生命保険に入るよりも違う金融商品を選ぶのが常識と言っていいでしょう。

なぜ独身の人に生命保険が要らないのでしょうか。単身世帯の場合はその人が亡くなっても、他の人が経済的に困る事がないからです。

例えば、奥さんとか子供がいる場合を考えましょう。この場合は、夫が亡くなると、残された家族は経済的に困りますよね。

ですから、こういうケースでは生命保険に入ると言うのは妥当な選択です。絶対に入らないといけないというものでも無いのですけどね。

しかし、独身の場合は、経済的に困る奥さんも子供もいないのです。そうであれば、保険を使ってお金を貯めるのに、何の合理性もないのです。

という事は、かんぽ生命は必要の無い商品を売ろうとしているわけです。ですから、一番最初に書いたような違和感を感じてしまうわけです。

かんぽ生命は、現在のところ、実質的には国有企業です。その国有企業が、消費者にメリットの小さい商品を売ろうとしているのには大いに疑問を感じます。

(2019年1月追記:郵政民営化によりかんぽ生命は上場されました。しかし、現在でも、実質的には国有企業のままです。これは、株主を追っていくと簡単に確認できます。国のコントロール下に置かれた、半官半民の企業という感じでしょうか。)

国営企業が国民に不要な商品を売りつけようとしているのです。一体、何を考えているのでしょう?

死亡保障の保険を売るのなら、まだ医療保険でも勧めたほうが良心的でしょう。まあ、医療保険も要らない保険なのですけど。


  1. 解約しづらい金融商品のことを「流動性が低い」と言ったりします。 []

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