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低解約返戻金型終身保険で運用…本気なの?│ 自称専門家には注意しよう

低解約返戻金型の生命保険で資産運用をすると有利だという主張をしている人がいるようです。確かに、金利という観点で見ると、固定金利の金融商品の中では金利は高いようです。

ただ、率直に言って、この保険を使って運用をするのは、明らかに良くない選択です。金利が低い時期には、保険で運用をするのは絶対に避けるべきなのです。

「低解約返戻金型終身保険」…本気なの?

低解約返戻金型終身保険は一見有利に見える

某金融雑誌サイトのコラムで、生命保険を使った貯蓄法が紹介されていました。この商品を使うと、貯蓄に有利なのだそうです。

具体的にどんな商品を使うかというと、「低解約返戻金型終身保険」という保険です。名前からわかるように、終身保険の一種を使って運用するという提案ですね。

「低解約返戻金型終身保険」は、一般的な終身保険と基本的に同じものです。ただ、長期間解約しない場合は、解約返戻金が大きくなるという特徴があります。

解約返戻金というのは、解約したときに戻ってくるお金のことです。この解約返戻金が掛け金に比べて大きくなるので、結果的に儲かるという仕組みです。

ただ、注意が必要なのは、短期間で解約した場合は解約返戻金は、一般的な終身保険よりも、額が小さくなります。ですから、短い期間で解約すると、大きく元本割れをすることもあります。

そのため記事の中では、10年以内に保険料を払い終える事をすすめています。そして、20年から30年放っておくと2割から3割増やせるそうです。

書いてある事は嘘ではないですが…

長期で見て解約返戻金が多いなら、契約してみようと考える人もいらっしゃるかもしれません。でも、私だったらこの方法はすすめられません。

知り合いが契約しようとしているのを知ったら、必死になって止めるような商品です。絶対に避けるべきなのです。

その理由は、現在のような状況で固定金利の商品に投資するのは賢いとは言えないからです。しかも、解約しにくい商品に投資するとなれば、なおさらです。

この記事では、10年以内に保険料を払い終えると書いています。ということは、これよりも短い期間で解約すると、多かれ少なかれ元本割れを起こす可能性が高いでしょう。

ただ10年もあれば、その間に長期金利が大きく上がる確率だって小さくありません。ということは、保険料を払い終わるまでの10年間は、長期金利が上がらないように祈り続けないといけないのでしょうか?

金利があたっときに他の商品にお金を移せないとしたら、それはとても不利なことですよね。例えば、10年もの国債の金利が3%に上昇しているのに、低い固定金利の保険を持ち続けないと行けないのですから。

つまり、とてもリスクが高い商品と言わざるを得ないのです。普通預金に置いておいた方がマシだったなんて事になる可能性すらあります。

更に言うと、20年から30年放っておくということにも疑問を感じます。これだけ長い期間だったら、その間に大きな金利上昇が無いと考える方が異常です。

元々の記事を書いた人の皮算用は、20年以上長期金利が大きく上がらないことを前提にしているのです。でも、常識的には、そんな馬鹿な話はありません。

金利は変動するものだという前提のもとに、運用で使う商品を考えるべきでしょう。

以上の様な点を考えると、この人の提案は、とても人にすすめられるものではありません。ハイリスク・ローリターンに見えて仕方がありません。

個人向け国債を買ったほうがマシ

正直に言って、こんな商品で30年運用するくらいだったら、毎月一定額分の個人向け国債を買ったほうがまだ賢いでしょう。個人向け国債は変動金利の商品ですし、解約もしやすいという特徴がありますから。

そして、個人向け国債の変動10年は変動金利の商品なので、長期金利が上昇すれば勝手に金利が上がっていきます。つまり、面倒な対応が要らないのです。

もちろん、リスクを取れるという人なら、株式や株式で運用する投資信託を使ってもいいと思いますけどね。「低解約返戻金型終身保険」を選ぶ人だと、大きなリスクは取りたくないと考えている可能性も大きそうです。

保険の専門家かもしれないけど、金融は素人だと思う

「低解約返戻金型終身保険」を勧める文章を読んで、筆者に保険知識があるのは分かりました。しかし、金融に関してはどうなのでしょうか。

解約しにくい商品を強く勧めている時点で、金融に関する知識は疑わざるを得ません。というのは、流動性を確保するのは、基本中の基本ですから。

流動性というのは、解約のしやすさのことですね。保険は基本的にいつでも解約できますが、短期で解約すると確実に元本割れするなら、解約しやすいとは言えないでしょう。

しかも、この低金利の時代に、長期固定金利の商品なんてナンセンスです。少しでも投資について学んだ事があれば、絶対にすすめる事がない商品でしょう。

はっきり言って、ファイナンシャル・プランナーにはこの手のタイプが多いです。商品についてはそれなりに知識があっても、運用に関してはド素人という感じの人ですね。

本当に注意が必要です。下手をすると、大怪我をしますから。

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