「国債が暴落したら何が困る? 」のページで、国債の暴落は株式には悪影響であると書きました。この点について、もう少し詳しくみてみましょう。
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株価は下がる可能性が大きそう
国債暴落によって、株式はどう反応するのでしょうか?株式に関しては、基本的に下落すると思っておいたほうが良いでしょう。
国債の下落に関しては、主に2つのパターンが考えられそうです。
一つは、よく言われているように、日本国債が信頼を失って下落するというパターンです。買い手が見つけにくくなるので、下落するわけですね。
そしてもう一つが、景気が良いために金利を引き上げ、その結果として既発の国債が安くなるというパターンです。つまり、景気が良くなる事が原因で、国債の暴落が起こることもありうるわけです。
まあ、この場合は、暴落と言っても限定的なものでしょうけどね。「暴落」という言葉に厳密な定義がない以上、これを暴落という人も少なからずいるはずです。
どちらのケースも株価下落要因でしょう
このどちらのケースだとしても、国債の暴落は、株価の下落要因だと思った方が良いでしょう。なぜかというと、国債の暴落と長期金利の上昇は、ほとんど同義だからです。
新しく発行される国債の金利が上がると、既発国債(すでに発行されている国債
) は買い手を見つけづらくなります。新しものに比べて、既発債は表面上の金利が低いわけですから当然ですよね。
その結果、価格が安くないと購入してくれない状態になります。これが国債の下落で、大幅に下落した場合は暴落と呼ばれるわけです。
つまり、上に書いたどちらのパターンでも、国債の暴落と長期金利の上昇は関連しているわけです。そして、金利が上がると株価が下がるという性質がありますから、株価は下落するというわけです。
好景気の国債暴落の場合は、大きく儲けた後ということも
ただ、景気引き締めによる国債暴落の場合は、株式を早めに売ると逆に損だったということにもなりかねません。というのも、金利を上げて景気の引き締めをするまでは、株価が上昇していた可能性があるからです。
当然ですが、景気がよくなると、企業の業績は上がります。そうすると、景気の過熱を引き締めのために、金利の引き上げをします。
ということは、景気引き締めのために金利を上げるまでは、株価が上昇していた可能性が大きいわけです。つまり、先読みをして早めに株式を売ってしまうと、結果的に、儲けそこなう可能性があるわけです。
こういうケースなら、金融引き締めをするまで株式を持って、金利引き上げのタイミングで売れば良いわけです。結果的に最後は少し下がっても、そこまでで大きく儲けられる可能性も大きいのです。
国債と株式が同時に暴落するケースも
一方で、日本の政府や経済が信任を失い、国債の投売りが起こるようなケースも考えられないわけではありません。こういうケースでは、外国人投資家を中心に、株式も投売り状態になっている可能性が高いでしょう。
つまり、こんな場合が想定されるのなら、国内株式を持っているのはマイナスと言う事になってしまいます。日本という国が行き詰まったために国債を売るわけですから、株価も当然下がります。
倒産によって株式の価値が無くなる可能性も
国債の暴落が起こったということになると、企業倒産という事態に至るケースも有るでしょう。株式のことを考えるのでしたら、この点まで考慮しないわけにはいきません。
日本経済の信頼が由来で株価が下落したということになると、当然ですが、倒産のリスクが高まります。金利が上がってインフレになる可能性がありますから、企業としては当然厳しいのです。
経済高潮時での国債暴落でも倒産の懸念が
また、経済が好調で長期金利を引き上げる方向に誘導したような場合も、実は倒産は起こりえます。この場合、心配なのは地方銀行や信用金庫などです。
なぜこれらの金融機関が心配かと言うと、長期の国債で運用している比率が高いからです。長期の国債は、金利が上昇すると、大きく価格が下がります。
つまり、時価評価で損失が出るわけですね。その結果、倒産ということもあり得るわけです。
国債の暴落には限りませんが、個別の株式を買うときは、価値がゼロになる可能性がある事を認識しておかないといけません。それをわかった上で、最悪のケースでも耐えられるのかを考えておきましょう。
国内外の株式を組み合わせてリスクの低減を
どちらにしても、国債の暴落を心配して国内の株式に手を出すのをやめると言う発想は、正しいものではないでしょう。なぜなら、資産運用で本気で増やそうとすれば、株式以外の選択肢は見つけにくいからです。
それに、上に書いた通り、国債の暴落の仕方によっては、株価が大きく上がる可能性だってあります。というか、株式というのは、本来「年5%+インフレ率」程度は上昇するものなのです。
儲かる確率が大きいと思うから、公的年金にしろ金融機関にしろ株式に投資するわけです。リスクが大きいギャンブルというだけなら、公的な団体や金融機関が参加できるはずがありません。(いまだに、ギャンブルだと思っている人は少なからずいますけど)
外国株式と組み合わせよう
そこでどうするかというと、外国株式と組み合わせて運用します。
日本の株や国債が投売りのような状態になっているのなら、円も投売りのような状態になっているはずです。外国人投資家は、日本円の資産を売却し、他の通貨の資産に乗り換えようとするでしょうから。
ということは、外国株式を持っていれば、そちらで儲けられる可能性が高いのです。もっとも、国債の暴落を予想していなくても、国内外の資産で分散すると言うのは、基本的な考え方ですけどね。
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