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定期預金は銀行が国債を買う資金を与えているだけ

メガバンクで定期預金をするのは愚かな行為です。手厳しい言い方で反発を受けるかもしれませんが、事実だから仕方がありません。

なぜ愚かなのでしょうか。定期預金がダメならどうすればいいのでしょうか。チェックしてみましょう。

国債暴落って起こるの?

ここ何年か(あるいは十年以上?)、近いうちに日本国債の暴落があるのではないかと言う人がいます。「国の借金〇〇兆円」というのと、セットになっている事が多いですね。

まあ、マスコミの言う国債暴落の定義はあいまいですけどね。報道を見ていても、どうなれば暴落なのかはっきりしません。

とにかく、暴落すると危機を煽っている感じです。

暴落どころか値上がりしている日本国債

実際のところ、暴落するような兆しは、まったくないのが現実です。なにせ、一時的とはいえ、10年ものの利付国債の金利がマイナスになるような状況ですからね。

一応確認しておきますが、金利が下がるということは、国債の値段が上がるということです。というのも、金利が下がるということは、低い金利でも国債を欲しい人が多いからです。

つまり、国債を買いたい人がたくさんいるという事ですね。買いたい人がたくさんいれば、国債は高くなるという理屈です。

ここ数年(2019年2月時点)起こっているのはこういうことで、国債暴落を騒いでいた数年前よりも、国債の値段が上がってしまいました。それでも暴落を言い続けるって、一体どういうことなのでしょうか。不思議です。

本当に国債が暴落すると、確かに問題がある

ただ、本当に国債が暴落するのは、確かに問題です。

国債が暴落するというのは、国債の金利が大きく上がるという事ですね。数パーセント程度の変化でも、メガバンクは数兆円の損害を被るのだとか。

例えば次の記事では、3%の上昇でも大赤字になると指摘しています。

3%上昇すると、4.2兆円の評価損になる。前述のように、5大グループ全体の実質業務純益が2.45兆円だから、3%の金利上昇では銀行は大幅な赤字になってしまう。
http://diamond.jp/articles/-/16603?page=5

可能性は低いが、本当に暴落があると大変

率直に言って、現在の状況では、国債が暴落するという可能性は大きくないでしょう。国債の金利が低いということは、皆安全だと思って買っているからです。CDS からみても、暴落の確率は小さいと判断すべきです。

ただ、万が一、数パーセント程度金利が上がると、問題が起こる可能性もあるということですね。テレビなどで暴落すると騒いでいる人たちは、どの程度の下落を言っているのかはよく分かりませんが。

銀行はお金を貸すのではなく国債を買うのが仕事

さて、ここで一つ大きな疑問が生まれます。

上の記事で言っているのは、国債が暴落すると、銀行が損をするということですよね。ということは、銀行は、万が一のときに経営に大きく影響するほどの国債を持っているわけです。

銀行が国債を買っているお金と言うのは、どこから来ているのでしょうか。当然ですが、自己資金で買っているはずがありません。

銀行が国債を買っているお金は、私達の預金が使われています。つまり、預かったお金を運用しているわけですね。

本来、預金者から集めたお金は、お金が必要な企業や個人に貸し出されます。しかし現在の日本では、かなりの部分が国債の購入に使われているのです。

2019年2月補足:国債すら買えなくなってしまいました

もっとも、最近では、銀行が国債を買うことすら難しくなってしまいました。何故かと言うと、日本銀行が大量に国債を買うので、銀行にまで回ってこないのです。

日銀が一番国債を買っていたのが、2016年ころでしょうか。この当時は、年間80兆円の国債を日銀が買っていました。

2019年2月現在だと、2016年頃のペースよりは、日銀の国債購入は少ないようです。ただ、それでも、国債の品薄の状況は続いているようですね。

預金者から金を借りて国債を買っているのと同じ事

さて、銀行が預金を使って国債を買って、大丈夫なのでしょうか。

預金と言うのは、銀行にしてみれば借金です。という事は、銀行は預金者から低利の借金をして、金利の良い国債を買っていることになります。

それって、預金者の立場からすると、ちょっと釈然としませんよね。だって、国債というのは、基本的には誰でも買えるもののはずだからです。

一般の預金者だって、銀行と同じ条件で国債を買うことが出来るのです。なぜ、その国債よりも条件の悪い、定期預金として預けないといけないのでしょうか。単に、銀行が儲けるためのお金を提供しているだけではないのでしょうか。

「暴落する可能性があるものを預金で買うのか?」という問題も

そもそも、国債が暴落する可能性があるのなら、そんな危険なものを預金を使って買うことにも問題がありそうです。

まあこれに関しては、上に書いた通り、金融関係者のほとんどが暴落なんてありえないと思っているのですけど。本当に暴落すると思っていたら、もっと必死になって対処をするはずですから。

個人向け国債を買える分、個人は有利

しかも、個人なら、銀行以上に良い条件で国債が買えます。なぜなら、個人向け国債を購入できるのです。

後で説明しますが、個人向け国債なら、国債の暴落を心配する必要もありません。金利面での若干のマイナスはあるものの、元本保証という意味で個人向け国債はとても有利なのです。

つまり、私たちが銀行で定期預金を買うというのは、銀行に「搾取」されているわけです。政治的にリベラルを自称する人っぽい表現ですけどね。少なくとも、不利な金融商品を買っています。

定期預金を選ぶって、かなり間抜けかも

銀行が普通預金を国債で運用するのは、ある程度納得がいく行為でしょう。普通預金は財布代わりですから、金利に関しては期待していません。

多少なりとも国債の方が金利が高いのなら、それで儲けてもらってもかまわないのです。銀行も預金者も、お互いみメリットがある関係と言えるでしょう。

でも、定期預金となると、話は違います。

メガバンクで定期預金にするくらいなら、明らかに条件が良い個人向け国債を買えばいいはずです。比べてみれば分かりますが、金利はぜんぜん違います。

定期にする代わりに国債を購入するだけで、銀行が途中で抜いている分の金利を取り戻す事が出来るのです。どう考えたって、そうするほうが賢いですよね。

もちろん、定期預金の方が国債よりも何か優れているのポイントがあるのなら、定期預金を選ぶ人がいるのもわかります。例えば、定期預金なら国債みたいに暴落しないなどの利点があれば、「定期預金も良いか」となりますよね。

でも、個人向け国債を選ぶとすれば、本当に定期預金の方が優れた点なんて見つけられません。

まず、保証しているのが国ですから、信頼感と言う意味では全く問題ありません。定期預金はペイオフがありますが、1,000万円と利息しか保証されません。その意味では、個人向け国債のほうが有利と言っていいでしょう。

また個人向け国債は、銀行が持っている普通の国債のような暴落がありません。具体的に言うと、通常の定期預金のように、途中換金しても元本割れはしないのです。

そして、上でも書きましたが、メガバンクの定期預金金利よりも、圧倒的に金利がいいです。現状だと、金利が一桁違うのです。

あえて定期預金の方が優れてる点を一つ挙げると、個人向け国債は1年間は換金できません。これに対して、銀行の定期預金は、いつでも換金する事がかのうです。

おそらく、これが唯一の個人向け国債のデメリットでしょう。でも総合的に考えれば、個人向け国債ではなく定期預金を選ぶと言うのは、ちょっと考えにくいです。

しかも、個人向け国債は、銀行経由で簡単に買うことが出来ます。つまり、定期預金を作るのと同じような手間で、購入できるのです。

だとすれば、個人向け国債を選ばないのは、無知としか言えないでしょう。

メガバンクで定期預金を作るのは、銀行が国債を買うお金を与えているだけ。そんな事をするくらいなら、個人向け国債を買いましょう。

2019年2月追記:最近は投資信託を勧めてくるらしい

上にも追記しましたが、最近は日銀が国債を買うので、銀行が国債を買いづらくなっているようです。また、これも日銀のせいなのですが、国債の金利が下がって国債を買って儲けるのが難しくなっています。

しかし、銀行の貸出は相変わらずふえていません。つまり、銀行としては、儲ける手段を失いつつあるのです。

そこで銀行がどうしているかと言うと、投資信託や貯蓄性の高い保険などを売っているようです。預金の一部を解約して、これらの金融商品を買うように勧めるケースも多いらしいのです。

率直に言って、貯蓄型の保険の多くは、検討にすら値しないような酷い商品です。契約者にはわからないように隠してありますが、手数料が相当高いと考えられるからです。

投資信託は、ケース・バイ・ケースで、中には良い投資信託もあります。しかし、銀行の店頭などで勧められる投資信託は、あまり良いものでないことが多いようです。

保険のケースと同じで、投資信託に関しても、手数料の高いものを勧める傾向があるからです。

銀行にとって儲かる投資信託は、手数料が高い投資信託です。これに対して、私たちにとって儲かる可能性が大きい投資信託は、手数料が安い投資信託です。

つまり銀行というのは、顧客の利益ではなく、自身の利益を優先していると考えられるわけです。これに関しては、実際、金融庁から度々お叱りを受けています。

つまり、銀行では保険も投資信託も買ってはいけないということです。

すでに書いたように、銀行で定期預金を作るのは愚かな行為です。しかし、投資信託や貯蓄型の生命保険を買うのも、負けないくらい愚かなことです。

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