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ファーストリテイリングの日本での存在感は圧倒的| それゆえに今後の成長は難しいのでは

最近、ファストファッションについて調べ物をしていました。そこで、ユニクロを運営するファストリテイリングの売上高が約1.9兆円であることを知りました。

最初に数字を見た時には、特になんとも思っていませんでした。ただ、よくよく考えてみると、年間の売上が1.9兆円というのはとんでもない数字なような気がしてきました。

自動車メーカーとか銀行とかの決算を見ていると、1.9兆円程度だと特別驚くような数字では無いのですけどね。アパレルでこの数字というのは、かなりとんでもない事なのかもしれません。

ユニクロ(サイトのハードコピー)
ユニクロのサイトのスクリーンショット(2017年11月6日)

日本のアパレルの小売りは全体で9.2兆円

おそらく、こんなふうに書いても、年商1.7兆円という数字のすごさは伝わっていない事と思います。そこで、こういう言い方に替えましょう。

日本全体で1年間に売れる衣料品は、約9.2兆円です。全体が9.2兆円のなか、ファストリテイリングは1.9兆円も売っているのです。

アパレルというと、様々なブランドがしのぎを削っているというイメージがあります。その中で2割近いシェアと考えると、そのすごさが分かるのではないでしょうか。

とは言え、実はこのレトリックはちょっと嘘が混じっています。ユニクロは海外展開していますから、ファストリテイリングの売上のかなりの部分は、海外店舗の貢献なのです。

まあ、それでも、アパレル業界の中で、ユニクロがかなりの存在感なのはわかっていただけたのではないでしょうか。それでは、ユニクロの業績について、もう少し詳しくみてみましょう。

国民一人当たり7,000円程度はユニクロの服を買う

ファーストリテイリングのIRページによると、ユニクロの国内の売上高は、2017年8月期決算では8,107憶円だったそうです。

日本人の人口が約1.2憶人とすると、日本人一人当たり6,756円を使った計算になります。丸めた数字でいうと「平均的な日本人はユニクロで1年に7,000円分の買い物をする」という感じになります。

これって、かなり大きな数字ですよね。なにせ、子供から老人までの平均で毎年7,000円ですから。しかも、ユニクロが近所に無い人を含めても平均7,000は売れるのです。

そりゃ、業界での影響力は圧倒的になるわけです。

アパレルの小売り全体から見ると8.7%

日本にあるアパレルの小売りの売り上げをすべて足し合わせると、約9.2兆円になります。これは、矢野経済研究所というところの「国内アパレル市場に関する調査を実施(2017 年)」というプレスリリースから数字を引っ張ってきています。

これに対して、ユニクロ単独での売上高は上に書いたように約8,100憶円あるわけですね。この2つから分かることは、アパレル関係の小売りの売上の中で、約8.8%がユニクロの売上であるという事です。

上にも書きましたが、アパレル関係の小売店って、国内にとんでもない数ありますよね。その中の8.8%のシェアって、やっぱりかなりのものだと言わざるを得ないでしょう。

しかも、ユニクロの店舗が多いと言っても、せいぜい国内に800店舗ほどしかありません。ということは、近くにユニクロが無いという人だって、少なからずいるわけです。

当然ですが、ユニクロが出店している地域はかなり偏っています。東京みたいに129店舗もあるところもあれば、鳥取県や島根県のように県内に3店舗しかない地域もあります。

おそらく、半分近くの都道府県では、県内に10店舗以下の店舗しかないという状況でしょう。こういう地域では、ユニクロを利用しない人がかなり多いはずです。だって、ユニクロなんて、わざわざ長距離を移動してまで行くようなタイプの店ではありませんからね。

そういう地域も含めての8.8%というシェアなのです。やっぱりとんでもない数字だと思わずにはいられません。

逆に言うと、ユニクロの存在によって、市場を追われたアパレルの小売りも多かったのでしょうね。まあ、資本主義ですから仕方がありません。

ユニクロの国内での成長は打ち止めかな?

ユニクロの国内市場での強さはよく分かりました。でも、逆に言うと、これ以上の成長が望めないのではないかという印象も持ちました。実際、前年度の日本国内のユニクロの売上高は7,998憶円でした。7,998憶円から8,107億円と、1年でわずかしか売上高が増えていないことになります。

アパレルの場合、顧客の好みは多様に分かれますよね。例えば、高級品志向の人はユニクロは選びづらいでしょう。あるいは、個性的なファッションが良いと思っている人も、ユニクロは敬遠する可能性が大きいはずです。

これでユニクロが、高級路線にも手を付けると、ちょっと変な感じになっちゃうでしょうしね。事実、一度商品価格を上げましたが、評判が悪くてすぐに価格を下げたという歴史もあったはずです。

個性は路線も同様ですね。違う路線に舵を切るなら、ユニクロを残しつつ新ブランドを立ち上げるかブランドを買ってくることになるでしょう。でも、新しいブランドを作るのって、上手くいかない可能性も大きそうです。

このように考えると、ユニクロとしては、国内市場での成長は難しくなっていると考えられそうです。企業として成長するなら、国内は現状維持で、海外で勝負をした方が良さそうに思えます。

でも、海外での成長は、それほど簡単な話では無いでしょうしね。ちょっと見ものかもしれません。

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