ニュースなどで国の借金1,000兆円などと煽られます。2017年3月末の段階では、日本国としての借金は1,071兆円なのだそうです。1 この借金のすべてが国債ではありませんが、かなりの部分は国債による借金です。実際、財務省のサイトによると、平成29年度末の段階で償還されていない国債が865兆円にのぼると見込まれています。日本政府の借金のうち8割は国債というわけですね。
日本国債の4割は日銀が保有している
それでは、この865兆円の国債は誰が持っているのでしょうか。実は、このうちの約400兆円は日銀が保有しています。第2次安倍内閣発足以来と言うか、黒田日銀になって以降、継続的に国債を買っていますからね。何年も買い続ければ、こういう状態になっても不思議ではありません。
そして、この割合は今後も増えていくでしょう。というのも、日銀は今後も日本国債を買い続けると考えられるからです。
日銀が買っているのは国債だけではない
ところで、日銀が金融緩和の一環として買っているのは、日本国債だけではありません。例えば、日本株も買っているのです。
日本株を買っていると言っても、トヨタ自動車だとかソニーだとかの株を直接買っているわけではありません。ETF と呼ばれる投資信託を通して日本株を購入しています。
日銀が持っているETF の額ですが、2017年3月末の時点で15.9兆円なのだそうです。2 これは、東証1部の時価総額の約3%を占めるのだそうです。
15.9兆円と言うのは、日銀が買った国債の400兆円とくらべると、かなり金額としては小さいことが分かります。ただ、ここから日銀のETF 購入が大幅に増えるという事は無さそうです。というのも、株式市場と言うのは国債市場と比べて小さいので、日銀が購入できるETF に限界があるのです。
また、日銀が大量のETF を買ってしまうと、日本の株価への影響が大きくなりすぎます。そういったことは避けないといけませんからね。
日銀は不動産にも投資している
さらにこの他に、日銀はREIT と呼ばれる投資信託も買っています。REIT は日本語では不動産投資信託と呼ばれています。凄く簡単に説明すると、REIT を運営する法人が商業ビルやホテルなどを買い、賃料収入を得るというビジネモデルです。その利益などが配当金などとして投資家に配られます。
要するに日銀は、REIT を通して不動産も持っているという事ですね。株も不動産も日本国債も大量に持っているのが日本銀行と言う組織なわけです。
このREIT に関してはETF よりもさらに金額は小さいようです。日銀の財務諸表によると、2017年3月末時点で3,822憶円程度という事ですね。
REIT に関してはETF よりもさらに市場規模が小さいので、この程度の額しか買えないという事でしょう。国債の買い付けに比べたら、誤差みたいな金額です。
- それでも国は”絶対”つぶれない
日本の借金「1071兆円」 心配すべきは国ではなく私たちの生活
ZUU online [↩] - 日銀内でETF買い入れの持続可能性に懸念の声広がる-関係者
ブルームバーグ 2017年7月18日 09:30 JST [↩]
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