経済ニュースを見ていると、「マネタリーベース」がどうとか、「マネーストック」がどうとかいうものを見ることが良くあります。でも、これらの意味をちゃんと分かっている人って、どのくらいいるのでしょうか。
ただ、専門家の使用頻度からすると、これらの用語は非常に重要なもののようです。せめて基本的な部分だけでも確認しておきましょう。
マネタリーベースとは?
まずはマネタリーベースから。日銀のサイトから引用してみましょう。
Q:「マネタリーベース」とは何ですか?
A:マネタリーベースとは、「日本銀行が世の中に直接的に供給するお金」のことです。具体的には、市中に出回っているお金である流通現金(「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」)と日本銀行当座預金(日銀当座預金)の合計値です。
マネタリーベース=「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」+「日銀当座預金」
引用した部分にあるように、市中に出回っているお金と日銀当座預金の合計の事をマネタリーベースと言います。これは、発行されたお札と硬貨と日銀当座預金残高を合計したものと等しくなります。
マネーサプライとは?
マネーサプライはマネーストックと呼ばれることがあります。日本銀行ではマネーストックという用語を使っているので、日銀のサイトを見る時にはマネーストックとマネーサプライが同義であることを意識して読む必要があります。
Yahoo!ニュースなどで確認した範囲では、ニュースサイトでは両方とも使われているようですね。マネーサプライと言う人の方が、多いでしょうか。
ちなみに、日銀のサイトでは次のように説明されています。
Q:「マネーストック」とは何ですか?
A:マネーストックとは、「金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量」のことです。具体的には、一般法人、個人、地方公共団体などの通貨保有主体(金融機関・中央政府を除いた経済主体)が保有する通貨(現金通貨や預金通貨など)の残高を集計しています。
こうした統計において、通貨(マネー)としてどのような金融商品を含めるかは、国や時代によっても異なっており、一義的に決まっているわけではありません。わが国では現在、対象とする通貨の範囲に応じて、「M1」、「M2」、「M3」、「広義流動性」という4つの指標を作成・公表しています。
上の説明をちょっと言い換えると、「金融機関と中央政府を除いた、国内の経済主体が保有する通貨の合計」の事をマネーサプライと言う事もできます。ちなみにこれは、ウィキペディアの定義です。みんなが持っている通貨の合計というようなイメージで考えれば良いでしょうか。
ただ、通貨の範囲をどこまで含めるかと言うのが、非常に難しい問題とされています。例えば、普通預金口座を使って公共料金の引き落としをすることが出来ますよね。という事は、普通預金口座の残高は、通貨と言えないこともありません。じゃあ、定期預金はどうなのかと言った話になるわけですね。
このように、どこまでをマネーサプライの通貨の範囲に含めるかは、非常に難しい問題なのです。
マネタリーベースとマネーサプライの関係
マネタリーベースとマネーサプライには、次のような関係があるとされています。
マネタリーベース × 貨幣乗数 = マネーサプライ
学部レベルの国際金融の教科書に出てくる式ですね。この式から何が読み取れるかと言うと、マネーサプライを増やしたければマネタリーベースを増やせば良いという事です。
ちなみに、この関係式には疑義を唱える専門家もいるようです。単純な比例関係ではないという主張があるわけですね。
ただ、過去のデーターを見る限り、マネタリーベースを増やすとマネーサプライが増えるという関係はあるようです。ですから、金融政策でマネーサプライを増やしたいときには、マネタリーベースを増やせば良いという事は言えそうです。
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