テレビの経済ニュースなどを見ていると、GDP(国内総生産)の統計に関してのニュースを伝えている事があります。その中で、「上方修正」とか「下方修正」と言った形で、以前発表されていた数字が訂正されるのを目にしたことがあります。
例えば、「速報値では前年比2.0%増と発表されていたが、前年比0.5%に下方修正された」というような感じです。酷い時には、年率換算で数パーセント上方修正や下方修正がされることがあります。
なぜこのような事が起こるのでしょうか。
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GDP統計のスケジュール
実は、GDP統計の数値と言うのは、計算するのに時間がかかります。GDP統計に必要なデータなどがそろうのを待っていると、発表までに時間がかかりすぎてしまうのです。
をそのため、まずは速報値として早めに発表してしまうのです。その後、改定値と言う形で最初に発表された数字を訂正していくわけですね。
ちなみに内閣府のサイトによると、GDP統計の発表のタイミングは次のようになっています。
- 1次速報:四半期終了の 1か月と 2 週間程度後
- 2次速報:四半期終了の 2か月と10 日程度後
- 第一次年次推計:年度終了の約 9か月後
- 第二次年次推計:年度終了の約 1年 9 か月後
- 第三次年次推計:年度終了の約 2年 9 か月後
「1次速報」と「2次速報」は、四半期ごとの統計に関する速報です。例えば、1月から3月分に関しては、1次速報なら3月末から1か月と2週間後の4月の中頃に発表されるといった感じですね。
「第一次年次推計」「第二次年次推計」「第三次年次推計」は、年次の統計です。以前は、「第一次年次推計」は「確報」、「第二次年次推計」は「確々報」と呼ばれていました。
つまり、3月末にある年度が終わると、その1か月半後の5月中頃に1次速報が出てきます。そして、6月10日ごろに2次速報が出ます。そして、その年の年末ごろにかつては確報と言われた第一次年次推計が出るといった具合です。
また、これを見ると分かるように、GDPの数字が固まるのは、年度末から2年9か月後という事になります。常識的に考えて、そんなに待っていたら統計の意味はあまりありませんよね。ですから、速報値という形でまずは発表されるわけです。
中国のGDP統計が出鱈目なわけ
GDP統計と言うのは、このように、非常に時間がかかる統計です。でも、不思議な事に、中国のGDP統計は非常に短期間に確定値が出てしまいます。
例えば、2017年7月17日にBloomberg の記事で「中国:4-6月GDPは予想上回る前年比6.9%増、工業生産回復」というものがありました。つまり6月末から2週間ちょっとでGDP の数字が出てしまったのです。しかもこれは、速報値ではなく確定値です。
はっきり言って、そんな短期間で正しいGDP が出せるわけがありません。日本の1次速報よりも1か月も早い段階で、確定値が出るなんて考えられない事なのです。
と言うわけで、中国が発表するGDP なんて真に受けるだけ時間の無駄ということなるわけですね。
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タグ: GDP(国内総生産)と経済成長率とGDPデフレーター





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