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グローバール投資は国内の投資よりも有利?| 外貨建て投資に関してはかなり嘘が多いので注意が必要です

資産運用の専門家の中には、海外の株式や債券への投資を積極的に勧めている人も少なくありません。ただ、これらのアドバイスの中には「嘘」も多いようです。

専門家が主張するように、海外への投資が合理的なケースももちろんあります。しかし、彼らの主張が誤解に基づくものであることも珍しくないのです。専門家とみなされている人の中にも、実は誤った理解をしている人は多いのです。

ある書籍の中での指摘

例えば、ある本の中では、グローバル投資を勧める理由を3つ挙げていました。

  1. 国内金利が非常に低い
  2. 国内に比べ、海外には多様な投資対象がある
  3. 個人に対する課税が強化されつつある

率直に言って、3つ目の指摘に関しては意味が分かりません。課税が強化される事が見込まれるから、資産を増やしておこうという話をしたいのでしょうか。書籍の中の説明を読んでも、やっぱり整合的な説明はありませんでした。

次に2つ目の、「多様な投資対象がある」からグローバル投資が良いと言う主張について考えてみましょう。

そもそも多様な商品があるからと言って、それらの商品が有利というわけでは無いでしょう。

海外に有利な商品があるから海外で運用するというのなら理解はできます。でも、種類が多いからと言って有利な商品があるというわけでは無いですよね。つまり、種類が多いだけでは、海外の金融商品を買う理由にはならないのです。

また、ETF などを通して、円建てで海外の資産を運用することも難しくなくなってきました。例えば、日本の証券会社で円建てでアメリカのREIT やアメリカ株などに投資することも出来るのです。

ということで、はっきり言って、2つ目の「多様な投資対象」云々と言うのは、意味が分かりません。この本を書いているのが米系証券会社の社長なので、自社商品を売りたいという事なのでしょうか。

「国内金利が非常に低い」には騙されやすい

ただ、1つ目の「国内金利が非常に低い」から外国の資産で運用した方が良いという主張には、説得力を感じる人もいるのかもしれません。10年物の国債ですら、マイナス金利にまで金利が下がることもありました。

でも、実は、この理由もグローバル投資が良いという理由にはならないのです。

海外の方が金利が高い時、外貨預金や債券を勧める金融機関があります。日本の金利がゼロの時に年10%と言った金利がつくと、有利な投資であるように思えますよね。有利そうに見えるので、一般の投資家にも売りやすいのでしょう。

でも、実は、この手の商品は有利でも何でもないのです。なぜかというと、為替と言うのは金利差を埋める方向に変動することが知られているからです。

この事実は、なかなか信じられないかもしれません。しかし、間違いない事実です。その証拠に、円建てで発行される外債は、他の日本の債券と金利に大差はありません。

つまり、将来の為替変動を考えると、見た目の金利差は意味が無いのです。高金利の外債に手を出しても、為替が高金利のメリットを打ち消す方向で変動するので、特に有利でないわけですね。

しかも、外貨建ての商品の場合は、為替変動のリスクがあるために将来のリターンが読みづらくなります。一般に、将来のリターンが不確実な投資はハイリスク商品と呼ばれます。つまり、リスクだけが高いのにリターンが円建てと変わらないという事になるわけですね。

さらに、外貨預金の場合は、見えない形でかなり高い手数料を取られています。つまり、ハイリスク、ローリターンの典型という事になるわけです。

グローバル投資をする理由はリスク低減のため

それでは、グローバル投資が意味が無いかと言うと、必ずしもそういう事ではありません。

外貨建ての商品を組み合わせると、リターンを保ったままリスクを低減できる可能性があります。分散投資により、価格変動を小さくすることが出来るからです。

これは、外貨建て商品を組み合わせれば何でもいいというわけではありません。例えば債券などの場合は、外貨建ての商品を組み合わせるとリターンが変わらずリスクだけが増える結果になる事もあります。

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