何年か前までは、経済ニュースの中にBRICs(あるいはBRICS)という単語が多くみられました。
BRICs はブラジル、ロシア、インド、中国の英語表記の頭文字を繋げた造語ですね。BRICS と書く場合は、これに南アフリカが加わります。
これらの国は経済発展が見込まれるとして、2000年ころに注目されるようになりました。ちなみに、一番最初にBRICs と言い出したのは、ゴールドマン・サックスなのだとか。
実際これらの国々は、高い経済成長を誇っいました。中国などは、毎年10%以上の経済成長をしたことになっています。あくまで、公式発表を信じればという話ですけど。
以前のような勢いはない
ところが、最近の経済成長率を見ると、BRICS の経済成長にはかなり陰りがみられるようです。実際、経済ニュースなどでBRICS という単語を見かける機会も少なくなってきました。成長が期待される国々という印象は、すっかりなくなってしまいましたね。
BRICS減速の要因として大きいのは、資源価格が下落しているからと言うのが大きそうです。BRICS各国はいずれも資源国ですから、資源価格の下落は成長率を押し下げる要因になります。
南アフリカ、ブラジル、ロシアに関しては、経済成長率がかなり落ち込んでいます。南アフリカは1%前後、ロシアは0%前後、ブラジルに至ってはマイナス成長です。このあたりは、資源価格の下落が特に効いている印象ですね。
かつて2桁の成長率があった中国も、1桁成長に落ち込んでいます。中国の場合も資源価格の影響はあるのかもしれません。しかし、「中所得国の罠」と呼ばれる現象の方が影響が大きいかもしれません。
「中所得国の罠」というのは、農業国から工業国になった国が迎える経済成長の天井の事です。農業国が工業国になると、最初は先進国などの資本があつまり経済的に成長します。しかし、ある程度経済的に成長をすると、人件費が上がり経済成長が止まってしまうのです。中国はこの状態であると指摘する人は少なくありません。
また、そもそも中国の統計は、あまり信頼ができません。何せ、期末から数日でGDP の確定値が出てしまう国ですからね。
ですから、実際にはさらに酷いと予想する専門家も多いようです。近年はマイナス成長ではないかと言う人すらいます。
ということで、こうして見ると、唯一安定して成長しているのはインドくらいなものでしょうか。
BRICSに投資する投信のパフォーマンスも悪い
BRICS が低調なのは、BRICS に投資する投資信託のパフォーマンスを見てもよく分かります。
例えば「GS BRICs株式ファンド」というゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの投信の、これを書いている時点の基準価額は、9,433円なのだそうです。2008年1月に設定された投信なので、10年間かけて少し減ってしまったわけですね。
ちなみに、分配金も出ていません。ですから、分配金を支払ったために基準価額が下がったというようなことも無いわけです。
もちろん、リーマンショックの影響が途中にあったのは否定しませんけどね。それにしても、10年でマイナスと言うのはちょっと厳しい結果と言って良いでしょう。少なくとも、投資先としては他に良い地域がたくさんありました。
この手のブームに踊らされると、失敗することも多いという一例ですね。
スポンサードリンク
まずは確定拠出年金(個人型)を検討しよう
個人の資産運用で一番有利な金融商品は、何と言っても確定拠出年金(個人型)でしょう。いわゆるiDeCo のことです。
普通に働いている人なら、年間数万円から数十万円の節税が可能です。もちろん、完全に合法です。こんなに有利な金融商品は、他には存在しません。加入がまだの人は、とりあえず検討だけでもしてみてはいかがでしょうか。
iDeCo をはじめるには、窓口となる金融機関を選ばないといけません。お勧めはSBI証券かマネックス証券です。とりあえずは、資料請求だけでも。

スポンサードリンク





関連した記事を読む
- 一時は騒がれたBRICSだが 経済を中心にボロボロの様子です
- 中国経済の行方はどうなるのだろう?
- 経済成長率と言うのは、いったい何の成長率なの?
- インドという国の事は、意外と良く知らない人が多いのではないでしょうか。
- 郵政3社の株をIPO で取得してすぐ売った人は、少し儲けられたでしょうね