アゴラというネットメディアに、「なぜマネー誌は株式の銘柄選択特集をやめないのか?」という記事が載っていました。内藤忍という方の文章です。
タイトルから想像がつくと思いますが、マネー誌の株式投資記事に対する批判が書かれています。
記事の中身はこんな感じ
記事の内容を簡単にまとめると、次のような感じでしょうか。
アクティブファンドのパフォーマンスを見ると分かるように、個人投資家が市場平均を上回るような銘柄選びができる可能性は小さいでしょう。そうであれば、インデックスファンドでも買った方がマシだと考える方が自然です。
それなのに、マネー誌が個別銘柄選びの記事を書かなくてはなりません。なぜなら、それを書かないと「マネー誌自体の存在価値を否定する」ことになるからです。
インデックスファンドとアセットアロケーションだけだと面白くありませんし、コンテンツが不足して雑誌として成立しません。結果的に、雑誌の都合で個別株の記事が必要になるわけです。
一応、記事の趣旨は曲げずにまとめたつもりです。ただ、正確な主張を確認したければ、元の記事を読んでみてください。記事のタイトルと「アゴラ」で検索すれば、簡単に見つかるはずです。
個別株の記事はカサ増しに使いやすい
この方の文章にもあったように、個別株の記事を書かないと、雑誌に掲載するコンテンツの量が不足するのでしょうね。もちろん、他のコンテンツを作ろうと思えば、作れないことは無いでしょう。
でも、初心者向けのコンテンツを作るのって、結構大変だと思われます。例えば経済とか金融の知識の解説をするコンテンツを作るとします。初心者でも分かりやすくて興味を持ってもらえるような解説にするのって、なかなか大変だと思われます。
それだったら、個別株の記事を書いてしまえば、はるかに楽なんですよね。はやりの分野や特定の投資手法を見つけてきて、そこから面白そうな会社を拾ってきて記事にすれば記事なんて簡単に書けてしまいます。
しかも、「株式投資は自己責任で」なんて書いておけば、外れたって全く問題ありません。
そもそも、雑誌の予想が本当に当たるのなら、マネー雑誌はもっと多くの人が参考にしているはずです。今くらいの部数しか売れていないという事は、実績はたいしたことが無いという事です。
雑誌を作っている側も、最初から外れても仕方がないくらいの気持ちで作っているのでしょう。もちろん、すごく上がる株をたまたま事前に予想していたら、すごい勢いで自分の雑誌の手柄にするのでしょうけどね。
エンタメとしての要素として個別株が必要なんだろうな
もう一つ付け加えると、エンターテインメントとして個別株は必要なのでしょうね。
マネー誌というのは、娯楽目的で買う人もいるはずです。確実に資産を運用する知識を得るためではなく、一獲千金情報を探すために買う人も一定割合でいるはずです。
そういう人を満足させようと思えば、個別株の記事は欠かせないのでしょうね。インデックスファンドを記事にしても、一獲千金という感じにはなりにくいですから。
8割の確率で上手くいく投資より、2割の確率でちょっと大きく儲けられる投資の方を好む人もいるわけです。
読者が儲かろうが損しようが関係ない
結局、マネー雑誌を作っている側からすれば、読者が儲けようか損しようがたいした問題じゃないんですよね。雑誌を買ってくれさえすれば、何でも良いのです。
その証拠に、マネー雑誌って、安愚楽牧場の広告やら記事やらを載せていたことすらありましたからね。しかも、金融の専門家を名乗る人に、積極的に勧めさせたりもしていました。
読者の事を大事だと思っていれば、安愚楽牧場は避けるべきだと判断するはずなんですよね。詐欺的な部分は事前には分からなかったとしても、マトモに情報公開されていた部分でさえ怪しさ満点でしたから。
安愚楽牧場の例は極端だとしても、マネー誌というのはできれば毎月雑誌を買い続けて欲しいと思って作られているわけです。そうであるならば、毎月何らかの形で新しい儲かりそうな情報を探してくることが必要です。
でも、そんな事が継続的に出来るわけありませんよね。そこで便利なのが個別株なのです。
個別株なら数千単位の選択肢がありますから、ネタ切れはまずありません。最悪、同じ銘柄を1年くらい期間を開けて紹介しても良いわけですし。
そして、うまくいくと本当に儲かるのも事実ですからね。マネー誌として、これほど優良な素材は無いのでしょう。
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