ユニクロを運営するファーストリテイリングに関してちょっと調べていたところ、かなり興味深い数字を目にしました。なんとファーストリテイリングのPER が82.88倍もあるのです。1
日本株の最近のPER はせいぜい15倍程度でしょう。80倍を超えるPER はかなり異常な値と言えるはずです。
右肩上がりで成長している企業なら、PER が多少高いのもまだ理解はできます。しかしユニクロに関しては、以前ほどの急激な成長はしていないはずなんですよね。
日経平均の計算方法に問題があるらしい
どういう事だろうと思っていろいろ調べていたら、面白い解説を見つけました。「『ユニクロ』の株価がいつまでも高すぎる理由」という、まさに疑問に答えてくれるようなタイトルの記事です。2
この記事によると、どうやら、日経平均の計算方法のために、ファーストリテイリングの株価が高くなっている可能性がありそうです。本来の企業の価値とは全然違うところで、株価が吊り上がっているわけですね。
具体的に何が問題なのかというと、「日経平均は株価の高い銘柄が、株価の低い銘柄よりも構成比率が高くなる」からです。日経平均の構成比率が高いと、日経平均連動のETF やインデックスファンドが買われるだけで、自動的にたくさんのファーストリテイリング株が買われる仕組みになっているのです。
もう少し具体的に見てみましょう
株価が高いファーストリテイリングの構成比率は、6月10日時点で7.04%もあるそうです。
これを書いている時点でのファーストリテイリングの株価は3万6580円もあります。この高い株価のために、日経平均の構成比率が大きくなるわけですね。
構成比率が高くなると、ETF やインデックスファンドなどの日経平均に自動的に連動する投資信託ではたくさん買われることになります。例えば、日経平均連動のETF を100万円買うと、そのうち7万円はファーストリテイリングの株を買う事になるわけですね。
そんな状況ですから、日経平均が買われている状況では、ファーストリテイリングのPER が高くなるのは当然とも言えるわけです。日経平均の計算方法がいびつだからこその現象と言えるわけですね。
まあ逆に言うと、日経平均が下がり始めたら、ファーストリテイリングの株価が急落する可能性もあるわけですけどね。
- 2016年8月23日終値時点、Yahoo!ファイナンスより引用 [↩]
- 「ユニクロ」の株価がいつまでも高すぎる理由
「トヨタ自動車」よりも実は5倍も割高?
東洋経済オンライン 2016年6月13日 [↩]
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タグ: PER, ファーストリテイリング





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