毎日新聞によると、今の日本は円高で、安倍政権も日銀も打つ手が無い状態なのだとか。「手詰まり」という厳しい表現を見出しに使って伝えています。1
打つ手が無いかどうかは別にして、確かに今は円高に振れた状態です。政府も日銀も為替の水準を目標にしてはいませんが、もう少し円安の状態の方が良いとは思っているでしょう。
ちなみに毎日新聞の記事では、記事の後半にかけて、選挙対策のために政府が円安誘導したがっているということが書かれています。選挙対策のために経済政策をしているという印象を与え、遠まわしに政権批判をしいのでしょう。
しかも、記事の最後は次のように締めくくられています。
民進党は自民党に国会での党首討論に応じるよう要求。江田憲司代表代行は7日の記者会見で「アベノミクスは行き詰まっている」と述べた。
江田憲司議員の言葉を引用という体裁はとっていますが、「アベノミクスは行き詰まっている」と言うのは、毎日新聞が読者に伝えたいメッセージでしょう。自分の言葉で語らず人に語らせるという、新聞らしいちょっと姑息な表現ですね。まあ、他紙でもよく見る手法ですけど。
円安の時にも批判してませんでしたっけ?
さて、この記事のタイトルを読んだときに、非常に強い違和感を感じました。と言うのも、数年前の毎日新聞は、円安政策に対して強い批判をしていたからです。
安倍政権の初期に円安に振れていた時期は、「円安関連倒産がこんなに増えた」と言うような記事をたくさん書いていましたよね。実はそのころ、倒産件数自体は減っていました。それなのに殊更に円安倒産を取り上げていたんですよね。
結局、円安が良いのか円高が良いのか、どちらなのでしょうか。円安倒産がそんなに問題なら、円高になったことは絶賛すべきではないのでしょうか。
毎日新聞にとっては、政権批判ができれば何でも良いのでしょうね。揚げ足を取ることしか考えていないのです。
新聞は世論誘導をするものという前提で読みましょう
投資をするときの情報源として、新聞やテレビはとても便利です。しかし、情報がとても偏っていることは認識しておかないといけません。
今回挙げた話ではなく、昔言っていたことと正反対の事が書かれているなんて、珍しくはありません。自分たちの政治的な主張が最初にあり、それに沿うような形で記事が書かれているからでしょう。
ですから新聞を読むときなどには、最初から歪んだ情報に接していると認識した上で読む必要があります。それをしないと、投資判断を間違う可能性が大きくなるでしょう。
もう何度も書いていることですけど、重要なのでもう一度お伝えしておきます。
- <円高107円台>政府・日銀手詰まり サミット控え
毎日新聞 2016年4月7日 [↩]
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