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1LDKが3,000万円って高すぎないか?| グローベル川崎ミッドスクエア

JR川崎駅から徒歩7分のところに、グローベル川崎ミッドスクエアというマンションが建ったようです。東海道線や京浜東北線、南武線、京浜急行などが利用できるターミナル駅ですから、交通の便としては非常に優れた立地といえるでしょう。

その一方で、川崎の南部という土地柄もあり、街の雰囲気という意味では気になる人も居るのかも知れません。まあ、人が多い場所に建つマンションでは、川崎に限らず気になるポイントでしょうけどね。

さてこの物件で、個人的に興味を持ったのが、1LDKの部屋の価格です。占有面積35.91平方メートルの1LDKの部屋で価格が3,378万円もするのです。

駅に近い新築マンションとはいえ、さすがにこの値段は高すぎるように思いませんか。ちなみに、高層マンションではないようです。全33戸ということで、中層くらいでしょうね。

賃貸の価格をチェック

3,000万円を超える価格が適正なのかをチェックするために、Yahoo!不動産で川崎駅周辺の賃貸価格をチェックしてみました。具体的には、川崎駅から徒歩10分以内で30~35平方メートルの築5年以内の物件の賃貸価格を調べてみました。

管理費込みで一番賃料が安かったのが、月9.6万円の物件でした。逆に一番高かったのが、月13.955万円の物件です。同じ物件が重複して掲載されているので中央値はわかり辛いのですが、ここからは管理費込みで12万円で貸すことができる物件と考えてみましょう。

ちなみに、この物件を月12万円で賃貸に出したとすると、期待される賃料は年144万円となります。ということは、表面利回りは4.3%です。

やっぱり高すぎるんじゃないか?

当然ですが、表面利回りは実際のリターンよりもかなり大きな数字になります。例えば、この物件の場合は管理費として月1万3200円、修繕積立金として4,780円がかかります。これを考慮するだけで賃料は月約10万円となり、利回りは3.6%まで下がります。

この他にも、固定資産税などの税金もかかります。マンション自体の価値も、長期的に下落していくと考えて良いでしょう。

賃貸価格からマンション価格を割り出すなら、空室も考慮しないといけません。広告宣伝費や仲介手数料も必要です。

ということは、諸々総合して考えると、この物件のリターンはざっくりと1~2%台であると考えて良いでしょう。もちろん、マイナスの可能性も小さくはありません。

そう考えると、やっぱり高すぎるという結論でよさそうですね。

もうちょっと突っ込んで考えてみましょう

さらに突っ込んで、収益還元的に考えてみましょう。具体的には、次のような前提を置いてマンション価値を計算してみましょう。

  • 賃貸に出した場合の実質的なリターンは2%で変動しない
  • 50年後に現在の価値に換算して、30%の価値が残る

マンションからのリターンが50年間一定としたケースですね。計算してみると、物件に対して130%のリターンがあることになります。一応収支はプラスという結果が出るわけです。

ただ実際には、マンションの賃料というのは、築年数に応じて下がっていきます。また、マンションの賃料は比較的上下させにくいため、物価が上昇するとその分損をしやすいという構造にあります。

こういった事情を考慮して、さらに計算してみましょう。

物価変動を考慮した実質的なリターンが年1%ずつ小さくなっていく場合と、年2%ずつ小さくなっていく場合を計算して見ましょう。また、物件の価値は同じく3割残るとしましょう。

するとそれぞれ、109.0%、93.6%となります。つまり、年2%ずつのペースで実質的な収入が減っていくと、投資としてマイナスということになります。

やっぱり高すぎる

マンションの購入というのは、リスクを伴う投資という側面があります。仮に実質的なリターンが2%程度だとしたら、そんなものにお金を使う人の気が知れないというのが率直な感想です。リスクが大きすぎるからです。

さらに上に書いたように、長期的な収支で見ても、かなり厳しい印象が強いです。この意味でも投資としては不適格です。

ですから、私だったらこの物件には手を出しません。意見を聞かれたら止めることになるでしょう。

ただ、不動産に関しては、経済的な合理性以外で判断する人が多いのも事実です。不動産に対する思い入れが乗っかるケースも多いのです。

ですからこのケースも、一概にダメだとは言えませんけどね。まあ、私なら買わないということです。

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