「日経平均などの株価指数に採用されると株価は跳ね上がる。だから日経平均に採用されそうな株を買っておくべきだ。」
株式に関してコメントをしてお金を稼いでいる人の中には、こんなことを言う人もいます。
確かに、日経平均などに採用されると、株価が一時的に上がることがあるのは事実です。でも、だからといって事前に仕込んでおけば儲けられるのでしょうか?
率直に言って、ちょっと安易過ぎる発想ではないかと思います。このページでは、このあたりの点について、ちょっと考えてみましょう。
株式指数に採用されると株価が上がるカラクリ
繰り返しますが、株式指数に採用されると株価が上がることが多いのは事実です。その理由はいくつかあるのですが、一番大きな理由は投資信託などの買いが増えるからです。
投資信託の中には、インデックス・ファンドと呼ばれる、株式指数に連動するものがあります。こうした投資信託は、日経225などの株式指数で銘柄の入れ替えがあると、新たに採用される会社の株式を買うことになります。そうしないと、株式指数と投資信託の基準価額の連動性が崩れてしまうからです。
インデックス・ファンド以外でも、日経平均などをベンチマークにして運用している投資信託は多いです。こうした投信でも、新たに指数に採用された株は買う可能性が大きいでしょう。少なくともベンチマークに大きく負けないようにするために、ベンチマークの構成銘柄をある程度もっておくのは珍しいことではありません。
郵政3社の株がこんな感じ
これを書いている時点だと、郵政3社の株がこんな感じの状態ですね。日経225に採用される可能性があり採用されれば株価が更に上がる、ともくろむ人もいるわけです。
週刊朝日の記事から、ちょっと引用してみましょう。
近い将来、TOPIX入りした郵政株を買う機関投資家が、より多くの郵政株を買う機会がもう一度あるかもしれない。それは、東証1部の代表225銘柄による指数「日経平均株価」への採用だ。特に有望なのは株数の多い日本郵政。採用されれば、同じ理屈で機関投資家が一定比率を買う。上げ潮のポイントはそこだ。1
こんなふうに書かれると、いかにも儲かりそうな感じがしますよね。特に郵政3社は、投資の初心者が手を出し易い株です。こういう記事に釣られて、思わず買ってしまう人もいるでしょう。
そんな単純な話なら誰でも儲けられる
もちろん、実際には、こんな都合よくはいきません。
例えば、仮に日経225に採用されることになったとしても、それまでに郵政株の評価が下がり、暴落している可能性だってありますよね。そうしたら、結果的に大損をする可能性だってあるのです。こんなシンプルな思惑通りに行かないのが株式投資です。
そもそも、株式指数に採用される銘柄の株価が上がるなんて情報は、投資家ならほとんどみんな知っていることです。みんなが知っているということは、将来の株価指数への組み入れを見越して、現在の株価が決まっているということです。逆に日経225に採用されなかったら、大きく株価が下がることもあり得ます。
こんな単純な情報だけで常に儲けられるほど、株式投資はシンプルではありません。もちろん、一回だけなら儲かることもありますけどね。それは単なる偶然です。
- 郵政関連株上場の空騒ぎ 好発進は“出来レース”〈週刊朝日〉
dot. 11月11日
週刊朝日 2015年11月20日号 [↩]
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