郵政3社の株式の上場が近づいてきました。私たち個人投資家にとって気になるのは、この株を買うと儲かるかどうかでしょう。
専門家の意見なども交えつつ、ちょっと考えてみましょう。
IPO で買って短期で売るのが一番堅い
儲けの額はともかくとして、とにかく儲ける確率を上げたいのなら、IPO(株式公開)で買って上場後で切るだけ早く売るのが堅いでしょう。
新規上場の幹事を務める証券会社としては、新規公開する株式を売ってしまわないといけません。そのため、IPO価格というのは、少し低めに設定されるのです。
その証拠に、過去のIPO を見ると、公開当初はIPO 価格よりも高めに取引されることが多いです。100%ではありませんが、確率的に悪くはありません。
まあ、今回の場合は、IPO の抽選に当たらない人が多いのでしょうけどね。それに、もうIPO で買うのは時期的に不可能です。
上場後は買うべきか?
それでは、上場後は郵政3社の株を買うべきでしょうか。あるいは、IPOで当たった人はもち続けるべきなのでしょうか。
これをしるには、PER について考えてみるのが手っ取り早いでしょう。PER(株価収益率)というのは株価を一株利益で割った数字です。利益に対しての株価が適正なのかをチェックするのに使えます。
THE PAGE というところに記事によると、IPO の仮条件の上限で計算した場合のPER は、「日本郵政が16.4倍、ゆうちょ銀行が17倍、かんぽ生命は15.7倍」ということです。1
東証1部の銀行業のPER の平均は、2015年9月末の段階で11.0倍なのだそうです。そして保険業は17.3倍です。
ということで、売り出し価格で見た場合、ゆうちょ銀行は少し割高、かんぽ生命は少し割安ということが言えそうです。もっとも、保険業の場合は会社数が少ないので、ちょっとした状況の変化で業種別のPER も大きく変動するようですけどね。
ちなみに、上にも書いたとおり、上場直後は売り出し価格よりも高い株価で取引されることが予想されます。となるとPER の数値は悪くなり、どちらも条件が厳しくなると思って良いでしょう。
とりあえず言えるのは、PER で見た場合は別段お得感は無いということでしょうか。
配当利回りは良いようです
ちなみに、配当利回りは高くなりそうです。配当利回りというのは、株価に対して毎年の配当金が何パーセントくらいにあたるかという数字ですね。
この配当利回りを重視する人もいるのですが、個人的にはあまり関係が無いのかなあと思っています。というのも、配当金というのは、会社の持っているお金を株主に配っているだけの話だからです。
会社がお金を配れば、その分だけ会社の価値は下がります。ということは、結果的に、配当は株価の下落要因なのです。高配当であればあるほど、株価が下がるはずです。少なくとも原理的にはそうなっています。
それに、今後も高配当を維持できるのかという疑問も残ります。配当利回りが魅力の株は、配当が維持できなくなったらとたんに値下がりするなんてこともありますしね。
あまり興味は無いです
ということで、本当に簡単に郵政3社について考えてみました。ここまで調べた段階で、投資対象としての興味は失ってしまいました。
何といっても痛いのが、PER の高さです。成長がそれほど期待できない企業が高いPER だと、その時点で投資対象として魅力はありませんからね。
そして、どうやら、郵政3社は成長性という意味ではあまり期待できないようです。
ちなみに、小泉政権時代に郵政民営化に深くかかわった高橋洋一氏は、今回の上場についてボロクソに批判しています。
しかも、郵政株は高配当だという。高配当というのは、逆にいえば自社でうまく投資できないから資金を社外流出させるという意味でもある。この意味でも面白くない会社だ。はっきりいえば、現状では中長期的な値上がりの夢は期待できないと思ったほうがいい。郵政株の最終受け皿になる投資家がババを引かなければいいと思う。
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本当にここまで酷いかはともかくとして、投資先としての魅力が小さいのは間違いがありません。公開当初は人気化するかも知れませんけどね。
IPO 価格は売り出し価格より上昇
IPO 価格は予想通り売り出し価格より上昇したようですね。すぐに売った人は儲けられたのかもしれません。
- 郵政3社の株は買いなのか? 11月の大型上場に市場の期待高まる
THE PAGE 2015年10月17日 [↩] - 上場目前にあえて警告 郵政3社には期待できない 個人投資家、ババ引く恐れ
zakzak 2015.10.31 [↩]
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