私たちが資産運用をするとき、当然ですが、金融商品を選ばないといけません。手元にお金を置いておいても、お金は増えませんからね。
このページでは、金融商品を選ぶときの基準について考えてみましょう。
投資する金融商品を選ぶのは大変
金融商品というと大げさに聞こえる人もいるかもしれません。でも、具体的な名前を挙げると、なじみがあるものが多いはずです。
銀行の普通預金も金融商品の一つです。預金意外でも、比較的身近なところだと、株式や債券、投資信託なども金融商品です。一部の生命保険を金融商品に含める場合もあります。
この他にも、金融商品と呼ばれるものはたくさんあります。
それぞれの金融商品は、さらに細分化することが出来ます。例えば債券だったら、日本国の国債もありますし、企業ごとに発行している社債もあります。さらには外国の債券もあります。
株式だったら、日本株もあれば外国株もあります。日本株の中にも優先株という特別な株式があったりします。
こうやって分けていくと、金融商品は無数に数が増えていきます。多種多様な金融商品がある中で、私たちはどういう基準で投資先を決めればいいのでしょうか。
「安全性」「流動性」「収益性」
まともな投資関連の入門書1 を読むと、金融商品を選ぶには「安全性」「流動性」「収益性」の3つが重要だと書かれています。
それぞれどんなものなのか、確認してみましょう
安全性
安全性というのは、元本と利回りが確実かどうかという基準です。
例えば銀行預金は、元本1,000万円とその利息までは保証されています。仮に銀行が倒産しても、元本も利回りも大丈夫ということです。
ということで、非常に安全性が高い商品と言っていいでしょう。
債券も元本保証もあり、利回りも保証されています。その意味では、比較的安全性が高いと考えられます。
ただ債券でも、社債の場合は企業倒産のリスクもあります。企業倒産があると、投資したお金が返ってきません。
その意味では、債券の中には安全性が高いものもあれば低いものもあるということです。
国債でもそうです。CDS の数字などを見ると、日本の国債は安全性が高いと思われている事がわかります。しかし、ギリシャのように、安全性に疑問がある国債も存在します。
流動性
流動性という言葉には、なじみが無い人も多いかもしれません。簡単に言うと、現金化しやすいかどうかということです。換金性と言ってもいいかもしれません。
日本の普通預金は、いつでも引き出すことができます。ですから、財布代わりに使えるような、非常に流動性が高い金融商品と言えます。
普通預金ほどではありませんが、株式も比較的流動性が高い商品です。基本的にいつでも売買することが可能です。
ただ株式の場合は、売買する相手が見つからないと取引が成立しません。ですから、株式の中にも流動性が低いものが存在します。
さらに中国株のように酷いケースもあります。金融当局の指示で、突然売買できないようになることもあるようですから。
基本的に銀行預金は流動性が高いのですが、すべてがそうではありません。例えば、一部の定期預金の中には、非常に流動性が低いものがあるのです。
具体的には、満期が来るまで売買出来ないような定期預金があります。あるいは、売買をした場合は、一定のペナルティがあるような定期預金もあります。
仕組預金でも、基本的に解約に応じないというものもありますね。ですから、預金というだけで流動性が高いとは単純には言えません。
収益性
収益性というのは、まさに文字通りの意味です。どれだけ儲かるかという視点ですね。
現在の銀行の普通預金の金利は、ほとんどゼロと言っていいような水準です。ですから、非常に収益性が低いと言えるでしょう。
株式は、長期的に見れば、年6%程度のリターンがあるとされています。その意味では、銀行の普通預金に比べれば収益性が高い商品と言えます。
3つともそろった商品は存在しない
「安全性」「流動性」「収益性」の3つがそろった金融商品があれば、当然ですが、それに越したことはありません。そんな理想的な商品なら、誰もが購入したいと思うでしょう。
元本も利益も保証されていて、いつでも現金化できて、大きく儲かるのです。そんなの、誰だって買いますよね。
しかし残念なことに、この3つがそろった金融商品と言うのは存在しません。
例えば、安全性も流動性も高い銀行の普通預金は、収益性に欠けます。逆に、株式は収益性が高いですが、安全性は劣ります。株式投資で元本割れをすることは珍しくありませんからね。
ですから、私たちとしては、完璧な商品が存在しないことを分かった上で、それぞれの商品の特徴を見極め、取捨選択しないといけないわけです。
- 世の中にはまともではない本が溢れていますが [↩]
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まずは確定拠出年金(個人型)を検討しよう
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