東証1部の時価総額がバブル期を越え、過去最高になったそうです。バブル期に記録した過去最高である590兆9087億円を上回ったようですね。1
これだけ読むと、なんだかすごいことが起きたような感じがしませんか。Yahoo!ニュースのトップでも紹介されていましたから、Yahoo!のエディターもすごいニュースだと思ったのでしょう。
こういうニュースが出てくると、必ず出てくるのが、「株式市場はバブルでは無いか」という批判です。
テレビのワイドショーのコメンテーターは、おそらく、「バブル再燃」とか言って煽るのでしょうね。リベラル系の新聞も同じようなスタンスを取ることが予想されます。
そして、バブル懸念を煽った上で、「株価が上がっても庶民には関係ない」という、お決まりの批判を展開するわけです。株価と有効求人倍率に正の相関があることなんて無視して、思い込みだけの批判が垂れ流されるわけですね。
あくまで私の勝手な予想ですが、おそらくそれほど外れないでしょう。過去何度と無く似たような状況を見ていますから。
実はたいしたニュースじゃない
さて、時価総額でバブル期越えなどというと、一見すごそうなこのニュースに感じますよね。でも、実際のところはどうなのでしょうか。
東証1部の時価総額がバブル期を越えたとしても、実はそれほど大きいニュースではないのです。日経平均がバブル期を越えたのなら、大ニュースなんですけどね。
なぜこれが大ニュースで無いのかというと、バブル期と比較した場合に、東証一部の上場企業はずっと増えているからです。つまり今回の記録は、企業の数が増えたから時価総額も増えたというだけの話なのです。
もちろん、株価の上昇が寄与した部分はありますよ。企業の時価総額というのは、「株価×株式数」で決まる数字ですから。でも、企業数が増えた以上、バブル期と単純に比較しても意味が無いのです。企業が増加していけば、いずれ超える数字だったのです。
ですから、私自身の最初の印象は、報道の浮かれた感じとは正反対だったのです。これだけ企業数が増えたのに、バブル期の時価総額を抜くのに時間をかけすぎたと感じたわけです。過去の政権は、どんな下手くそな経済政策をしてきたのかと問わねばなりません。
実際にどのくらい増えたのか確認してみよう
さて、企業数が増えたといっても、実際の数字を知らないと実感がわかないでしょう。ちょっと確認してみましょう。
日本証券取引所グループというサイトでは、上場企業の推移が紹介されていました。それによると、2015年4月末時点の東証一部の企業数は1,888社あるそうです。
ここから、少しさかのぼってみましょう。
- 2010年末:1,670社
- 2000年末:1,447社
- 1990年末:1,190社
このように、東証1部の上場企業というのは、着実に増えています。時価総額の過去最高だったのが1989年だったようですから、その頃と比べれば、約1.6倍に企業数が増えているわけです。
もちろん、新しい企業は規模が小さいところが多いでしょう。ですから、東証1部全体の時価総額への貢献は、それほど大きくないかもしれません。それでも、企業数が1.6倍になったら、新しい企業の貢献だってかなりあるはずですよね。やっぱり、東証1部の時価総額は増えて当然なのです。
ということで、今回のニュースは、それほど驚くようなものではありません。企業数が増えて、株価がある程度戻ったのですから、こうなって当然という程度の話なのです。
- 時価総額、バブル期を上回る=591兆円、株価上昇で―東証1部
時事通信 2015年5月20日 [↩]
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