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外国人ばかりが儲けて日本人が損をするってどういう理屈なんだろう| 雑誌記事はうかつに信じると危険

日本の市場では、外国人投資家ばかりが儲けて、日本人は損をしていると思っている人がいるようです。それを信じている人によると、外国人投資家は日本人が知らない情報を仕入れて、確実に儲けているのだとか。

最初は自分の運用が上手く行っていないので、自虐的な意味の冗談で言っているのだと思っていました。でも、世の中には、本気でそう思っている人もいるようです。

実際にそんなことがありうるのか、ちょっと考えてみましょう。

金融当局は、外国人投資家に利益誘導している?

ネットニュースを見ていたら、「日本市場では外資が確実に儲け、日本人は損ばかりさせられている」、というような記事が出ていました。しかも、外資に利益誘導しているのは、日本の金融当局だと言うことです。

この手の陰謀論的な記事は、時々見かけることがあります。そして、一部だとは思いますが、本気で信じている人もいるようです。

騙されやすい日本人という構図が受けるのか?

何でこういう記事が書かれるのでしょうかねえ。悪い外国人にだまされる愚かな日本人と言う構図が受けるのかなあ。

率直に言って、こんな荒唐無稽な記事ばかり書いているから読者が離れるのだと思うのですけどね。少なくとも私は、その程度の信頼しかおけない雑誌だと判断します。

でも、ユダヤの陰謀とか、好きな人は意外と多いですからね。逆に受けてしまうのかも。

引用してみましょう

具体的には、週刊ポスト2013年4月12日号の記事です。最初の部分をちょっと引用してみましょう。

野田佳彦前首相が解散宣言をした昨年の11月14日から始まった日本市場の上昇相場。その11月第2週から外国人投資家は買い越しに転じている。それから一度も売り越しになることなく、徹底して買い越し続け、3月中旬までの累計買越額はおよそ6兆円に達した。

 莫大な利益を上げた彼らは、すでにいかに売り逃げるかの出口戦略を練り始めているという。そうなれば、これからまだ株は上がると信じて買い始めた国内の投資家は痛手を負うことになる。

 なぜ日本の証券市場なのに外資ばかりが儲けて、国内投資家は損をしなければならないのか。実は、そうした環境を整えているのは日本の金融当局なのだから開いた口がふさがらない。

■ 外資ばかりが儲ける日本市場 その環境を整えたのは金融当局

最初の3つの段落だけを取り出してみました。はっきり言って、これだけでも相当支離滅裂な感じがします。いくつか挙げてみましょう。

外資が利益確定をした後に上がるか下がるかは五分

利益を上げた外資は株の売却のタイミングを探っていると言います。そのときに鴨にされるのが、株価が上がると思って買った国内の投資家だということです。

でも、この理屈っておかしいですよね。

外資が売って国内の投資家が買った後に、株価が上がるか下がるかなんて誰にもわかりません。株価が上がって国内の投資家が儲ける可能性だって十分にあります。

株価が下がることを前提に、鴨にされると言うのはどういう発想なのでしょうか。なぜその後に損をすると決めつけるのでしょうか。

■ 2019年2月追記:

この記事が書かれた2013年4月以降の、日経平均株価指数をチェックしてみてください。日経平均はその後も大幅に上昇をしているのが確認できるでしょう。

具体的には、当時1万円を少し超える程度の水準でしたが、2018年には2万3000円程度まで上昇しています。

つまり、この時点で売ったら、2倍に儲けられる可能性を放棄したことになるわけです。逆に、この頃買った日本人投資家は、大儲けをしているでしょう。

日本の金融当局は、今後も上がり続けるって、外資に教えて上げなかったのでしょうか。不思議ですね。

外資に極秘情報でも流したの?

もう一つおかしいと思うのが、野田内閣の解散から今までに、国内の投資家が株を買うチャンスは十分にあったということです。外資と条件が特に違うわけではありませんからね。

日本政府から外資に密約でもあったといいたいのでしょうか?それとも、日本人の投資家が知らない情報でも渡していたのでしょうか。

そうでないのなら、外資がリスクを取ったと言うだけの話でしょう。日本人にだって、株価上昇を見込んでリスクを取った人はいるはずです。

「これからまだ株は上がると信じて買い始めた国内の投資家は痛手を負うことになる」という記述もきになります。こんなことが分かっているのなら、日本人が空売りを仕掛けも良いはずです。(2019年2月追記:上に書いたとおり、この後も日本株は上昇しました。)

この短い記述でも、これだけの疑問がわいてくるのです。

相場観がない人が鴨にされるのは良くある話

仮に今株を買っている人が結果的に損をしても、結局は本人の相場観の問題としか言えません。

そもそも、株価が上昇してから株を慌てて株を買って結局鴨にされると言うのは、良くある話です。別に日本に限った話ではありません。

素人がこぞって株を買い始めたら売り時だと言うのは、よく言われる話ですからね。踊らされた投資家の責任以外の何者でもありません。

そんな当たり前のことを、何かの陰謀のように語られてもねえ。金融政策は全て陰謀になってしまいます。

2019年2月追記:利益確定した後に、さらに上がることも

十分に上がったと思ったので売ってみたら、その後も上がるなんて話もあります。売った後の株価は、上がるも下がるも五分五分ですからね。

実は、私自身も、Apple の株式で売るのが早すぎて儲けそこねた経験が有ります。

iPod が好調で株価が急上昇したので、そのタイミングで株を手放してしまったのです。まさかその後、iPhone でさらに株価が上がるとは予想していませんでした。

まあ、こんなことは、よくある話です。それでも、iPod のおかげで、それなりに儲けさせてもらいましたけど。

外資だけが情報を得ているってどういうこと?

そもそも、記事の後半で語られるから売りの制度変更(ここでは引用していません)に関しても、日本人も同様に利用できるんですよね。本当に日本株が下がると思えば、日本人が空売りを仕掛けも良いのです。

これが外資への便宜供与であるという理屈には全くなりません。それとも、日本人は知らなかったとでも言いたいのでしょうか。

それに、この手の外資ばかりが儲けているという主張で不思議な点があります。外資を儲けさせたい人は、全ての外資に情報提供をしていると考えているのでしょうか。

そんな広く知れ渡るような情報なら、なぜ日本人投資家の耳に入らないのでしょうか。情報の伝達経路一つとっても、バカバカしくて話になりません。

妄言に近い記事に騙されないようにしましょう

自分たちの都合の良い部分だけをつなぎ合わせて、妄想で作ったような記事でした。こんなアホみたいな理屈には、乗せられないようにしたいものです。

過去のtweet を見てると、乗せられている人も多そうですけど。こういう人たちは、タイトルだけ読んで、脊椎反射しているのでしょうか??

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