「株式るいとう」という金融商品をご存知でしょうか。野村證券のサイトによると、「長期投資に最適な方法」らしいです。
さて、実際のところはどうなのでしょうか。ちょっと、検証してみましょう。
「株式るいとう」ってどんな商品?
「株式るいとう」という金融商品をご存知でしょうか。簡単に言うと、株式を積み立てることができる金融商品です。
積み立てるというのはどういうことかというと、毎月一定額を買い付けるという事ですね。
一般的な株式は、単元株数の整数倍でしか売買することができません。例えば単元株が100株だったら、100株単位(100株、200株、…)でしか買えないという具合です。
ということは、ある程度まとまったお金を用意しないと、買うことができません。
しかし株式るいとうの場合は、毎月決まった金額分を買うことができます。しかも1株未満の株式を買うことも可能です。
例えば、株価が20,000円の株式があったとします。1か月の積立額が1万円だとすると、この月には0.5株を買うことができるのです。
このような特徴があるので、毎月少額で株式の積立てが可能です。庶民には非常に便利な商品と言っていいでしょう。
長期投資に最適(?)な「株式るいとう」
野村證券のサイトの用語集を見ていたら、「株式るいとう」に関して、次のような記述を見つけました。株式累積投資についての説明です。
1993年よりスタートし、「るいとう」という呼び名で親しまれている。証券会社が、多くの投資家から資金を募り、同一銘柄を共同で買い付ける仕組みである。
最大の特徴は、月々1万円から積立方式で投資できることである。定期的に買付けされるので、わずらわしさがなく、長期投資に最適な方法となっている。
「最適」はいくら何でも言い過ぎなんじゃない
これをみて、ちょっと気になる点が。最後の部分の「長期投資に最適な方法」という記述です。わずらわしさが無いというのは利点として認めますが、それだけを根拠に最適の方法と言うのは言い過ぎではないかと思うのです。
例えば、今ある程度の現金とか預金を持っている人なら、わざわざ積立なんてする必要は無いですよね。そういう人にとっては、積立は最適な方法ではありません。特に、今後収入が見込めない人なら、なおさらです。
分散投資をするという意味でも、株式るいとうは最適とは言え無いでしょう。月々1万円からの投資と言うことは、分散投資は難しいですよね。庶民の収入だと積立てられるのはせいぜい数銘柄です。それだったら、投資信託の積立でもした方がよほど簡単に分散投資ができます。
また、「株式るいとう」の弱点として、手数料が高いことも指摘しないといけないでしょう。手数料が高いというのは、それだけで、投資をする上では不利にはたらきます。
ちなみに、カブドットコム証券の「プレミアム積立(プチ株)」という類似のサービスを使うと、株式るいとうよりは安い手数料で株式の積立てをすることができます。
こうやって考えてみると、最適はちょっとね。うっかり書いちゃったのでしょうか。
投資信託の積立てをおすすめします
さて、個人が長期で資産運用をする場合は、株式るいとうによる積立ては適切な商品なのでしょうか。ある企業の成長に絶対に自信があって、今後何年も持ち続けるということなら、確かに株式るいとうも良いかもしれません。
しかし、必ずしもそうではない場合は、分散投資をするのが大事だと考えられています。ポートフォリオ理論によると、一つの金融商品を買うよりも、同じ期待収益率の商品を複数組み合わせるほうがリスクが下がることが知られています。
ということは、個別の株を一銘柄かうよりも、投資信託を使って複数の株を買う法がリスクが小さいのです。
幸いなことに、最近では、投資信託の積立に積極的な証券会社も増えています。手数料が安い投資信託を選べば、株式るいとうよりも低コストで積み立てることが可能です。
なにか、特別に投資したい株式がある場合を除けば、投資信託の積立ての方が合理的な判断だと思われます。
投資信託の積立てでは、SBI証券がおすすめです。積立て可能な投資信託が多い上に、小さい額から積み立てることができるのです。証券会社として、顧客満足度も高いですしね。
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