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FPのアドバイスは非現実的なことも| いざという時のお金が、「半年分の生活費と30万円」も必要なの?

マネー雑誌などを読んでいると、ファイナンシャル・プランナーが書いた記事を見かけることがあります。ファイナンシャル・プランナーの書いたこの手の記事って、参考にして良いものなのでしょうか。

もちろん、良いものもあるのでしょうけどね。中には、かなり酷いものもあるようです。

FPが書いた、理解不能な記事を見つけてしまいました

All About にファイナンシャル・プランナー(以下、「FP」)による資産運用の記事が載っていました。もともとは「あるじゃん」に載っていた記事なのかな。

どんな内容の記事かというと、100万円を運用すると言う趣旨ですね。FPが名前を出して具体的なアドバイスしています。

この記事が、ある意味興味深いので、ご紹介したいと思います。ある意味という書き方に、ちょっとした悪意を感じてもらえれば幸いです。

下に記事のタイトルを載せておくので、興味があれば検索してみてください。

■ 「初めて貯めた100万円」はどう運用する?

ちなみに、ちょっと(いや、「かなり」かもしれません)批判的な内容を書くので、元の記事を紹介するかどうか迷いました。でも、元の記事が分かるほうが参考になると思ったので、敢えて記事のタイトルくらいは載せておくことにしました。

名前を出して記事にしているので、当然ですが、批判も覚悟の上ということなのでしょうからね。それに、専門家として意見を述べているわけですから、反論する自信もあるのでしょう。

半年分の生活費+100万円をためて、100万円部分を運用する

この記事の基本的な設定ですが、まず半年分の生活費+100万円を用意します。その上で、100万円を運用するというものです。

基本的には、リスクを大きく取らないで堅実に運用するということを考えてるようです。

でも、この運用方法が色々と突っ込みどころがあるんですよね。

記事のアドバイスは次のような感じ

今回の記事では、半年分の生活費+100万円を用意するのが前提になっています。ちなみに、半年分の生活費は何かあった時のための余裕資金です。ですから、このお金は普通預金にでも入っていると考えてよさそうです。

そして、残りの100万円で資産運用していくことになります。このとき具体的には、100万円を70万円、20万円、10万円の3つに分けて運用することを勧めています。

3つに分けたうち、20万円と10万円は預け入れ期間の短い定期預金で運用するのだそうです。何でこうするかというと、万が一に対処するためです。

半年分の生活費でも足りないような事態が起きた場合は、まず10万円の定期預金を解約し、それでも足りなければ20万円の定期を解約するのだとか。

ちなみに、期間が短い定期預金というのが、どの程度の期間を指しているのかは明確にはされていませんでした。会計の世界では1年を超えるかどうかで期間の長期と短期を分けますから、ここでは1年物の定期預金と考えておきましょうか。

そして、残りの70万円はもう少しリスクの大きい商品で運用するという感じです。

以上の内容をまとめると、次のような感じです。

  • 「100万円+3ヶ月分の生活費」を用意する
  • 100万円を10万円、20万円、70万円に分ける
  • 10万円と20万円は定期預金で運用する
  • 70万円はもう少しリスクの高い運用をする

不正確な部分もあるかもしれないので、確認したい人は記事を見てみてください。

さて、この運用方法って、色々とおかしい所があるんですよね。ちょっと考えただけでもいくつも疑問が浮かんできます。この人は自分がこの方法を勧められたら実行するのかとすら思ってしまうのです。

「6ヶ月分生活費+30万円」もいざという時のお金は必要?

まず最初の疑問です。

いざと言う時に優先的に解約するお金を10万円と20万円に分ける必然性って何なのでしょうか?率直に言って、そんなことをする必然性がよくわかりません。

とりあえず、万が一のためのバッファ(余分)を用意しておくのは、悪いことではありません。そこは理解できます。

でも、バッファが大きすぎる気がするのです。というのも、この人が勧める方法だと、万が一のために半年分の生活費は既に確保しているからです。

ということは、1か月の生活費を20万円と仮定しても、150万円を用意しておくことになります。1か月の生活費が30万円なら210万円です。

そんな余分を用意する必要は有るのでしょうか。率直に言って、この30万円を途中で解約するようなケースは、私には思い当たりません。

何かのトラブルで大きな支払いが必要だったとしても、即金で100万円以上を払うなんてないんですよね。そもそも半年分の生活費で足りないようなピンチが先ず起こらない上に、起こったとしてもすぐに現金が必要になるわけではないのです。

繰り返しますが、万が一のためのバッファは必要ですよ。でも、半年分も生活費が用意されているなら、十分ではないかと思うのです。

だとしたら、この30万円は、もっと有効に運用すべきでしょう。

10万円と20万円では無く30万円の定期では駄目なの?

そして、この30万円を10万円と20万円に分ける理由もさっぱりわかりません。そもそも解約する確率がかなり小さいものを、さらに2つに分けろといっているわけですからね。

こんな手間をかける理由って、何かあるのでしょうか。はっきり言って、細かく分けるぶん、管理が複雑になるだけだと思うのです。

ちなみに、これを書いている時点の1年物の定期預金だと、どんなに頑張っても金利は年0.1%から0.2%程度です。仮に0.2%だとしても、元本30万円だと600円程度の利息しかつきません。

発生する確率が低い600円の節約のためにこんな手間をかけるなんて、常識的に考えてばかばかしいことですよね。人生には他にやるべきことがたくさんあります。

仮に100歩譲って70万円と30万円に分けるという部分は同意したとしても、30万円は一まとまりでよさそうです。しかも、バッファ的な意味あいであるなら、普通預金で良いのではないでしょうか。

それにしても、このFPは具体的な金額まで計算していないのでしょうか。受取利息を考えたら、わざわざ定期にする理由が、全く理解できないのですが。

失礼ながら、これだけでも実力が疑わしいです。

FPが言う額のバッファが必要なら、7ヶ月分の生活費で良いのでは?

そして、30万円を普通預金で管理するのなら、生活費の口座と一緒にしてしまっても問題はないでしょう。6か月分の生活費も普通預金で管理することになるでしょうから、それと一緒にしてしまうのです。

また、6か月分の生活費と30万円というのも分かりづらいので、7ヶ月分の生活費で良いのではないでしょうか。庶民の場合は、金額的には大差はないはずです。

これでも、バッファが大きすぎる気はしますが、最初にFPが提案したプランよりは、ずいぶんスッキリするでしょう。そして、これを超える部分に関しては、もう少しリスクをとって運用するわけです。

再三書いていますが、個人的には、バッファとしては7ヶ月分の生活費は大きすぎると思っています。せいぜい3か月分の生活費相当があれば、困るようなことは起きないはずです。あるいは、100万円としてもいいかもしれません。

もちろん、解約するような金融資産が他になければ心もとないですよ。でも、他で投資信託なりなんなりで運用しているのなら、現金や預金で持っておくのはこの程度で十分なのです。

バッファが大きいと堅実という印象を持たれるかもしれませんが、その認識は正しくありません。いざという時のリスクの大きさがわからないから、多めに持っておくと言っているに過ぎないのです。

リスクが見極められないという意味では、むしろ、能力を疑いたくなります。

もちろん、何かの根拠があって大きなバッファを主張しているのなら、話は違いますけどね。少なくとも記事を読む限り、突然出てきた数字でしたから。

社債って難しくないか?個人には不利なものも多いし

ちなみに上記FPは、70万円の運用では、個人向け社債やら個人向け国債を使った運用を勧めています。

正直に言って、これもよくわからないんですよね。個人向け国債はともかくとして、個人向け社債を使う理由はなんなのでしょうか。

そもそも社債は個人には難しい商品です。リスク分析などが難しく適切な利回りが素人で判断しにくいのです。

個々の会社の倒産リスクなんて、素人には判断できませんよね。そして、金利が妥当なのかどうかも判断は難しいです。

それに、個人向けの社債は発行条件が投資家に不利なことも多いようですしね。知識がない個人相手だから、ちょっと舐められているのでしょう。

それに、5年程度の社債を買うくらいだったら、10年ものの個人向け国債でも買っておいた方がよほど良いでしょう。仮に5年で解約する場合でも、10年物個人向け国債を選んでおいた方が個人向け社債を選ぶより有利なことも多いです。ここでは詳しくは説明しませんが。

インフレの可能性だってある

ちなみに、記事では償還まで社債を持ち続けることを前提にしているようです。デフォルトでも起こさない限り、償還まで持てば、確かに元本は保証されます。

でも、インフレにでもなったら、実質的な価値は減ってしまうんですよね。そういうリスクは全く考慮しないのでしょうか。

1%のインフレがあれば、運用額100万円としたときに、1万円の資産の目減りです。つまり、上でケチった600円よりも、もっと大きい損失を出す可能性があるわけです。

表面上は損失には見えないですけどね。債券や定期預金で運用した場合、インフレは確実に損です。ですから、その可能性もしっかり検討しておくべきでしょう。

半年分の生活費で足りなくなるような事態が起こる確率よりも、インフレの方がよほど確率は大きいのではないかと思います。少なくとも、日本以外の先進国だとインフレがあるのは普通ですからね。

このあたりはどう考えているのでしょうか。全く不明です。

他にも色々あるのですが、まあこんな所で。

FPのアドバイスは聞く側のリテラシーが問われるね

率直に言って、今回の記事はかなり酷いものと言わざるを得ません。

リスク管理という点からみても、リスクを過大に考えすぎているきらいがあります。見えない巨大な敵を想像しすぎて、身動きが取れなくなっている印象です。

また、固定金利の元本保証の商品だけを勧めるのは、低金利の時期の運用としてもリスク管理としても失敗です。見えない敵には怯えるのに、インフレというそれなりに可能性が大きいリスクは放置しているのですから。

まあ、一言で言うと、実質と名目の違いが分からない、しかもリスク管理ができない素人がアドバイスしているとしか思えないわけです。本当に勉強したのかと疑いたくなります。

FPがダメでは無いが能力のばらつきは相当大きい

もちろん、全てのFPを否定するつもりはありません。FPの中にも、能力が高い人はいます。

でも、例えば医師なら、全員がそれなりの能力を持っていると考えますよね。一人一人に実力差は有るでしょうが、最低限のラインは担保されているはずです。

でも、FPに関しては、その認識は正しくないのです。試験にだけ受かった、素人同然の人も少なからずいます。

それに、今回紹介したアドバイスも、完全に間違っているというわけではありません。いざという時のためのお金を用意しておくという方針は、全くおかしいとも思いません。

生活資金を現金に近い形で持っておくというアイディア自体は、私も同意します。まあ、上に書いたとおり、バッファとしては大きすぎる気がしますけどね。

FPを見極めるのは大変

ただ、専門家だからと言って、全幅の信頼を置くのは危険だと言うことです。有名なマネー誌に、なんとなくもっともらしいことを書いていても、問題が有ると思わざるを得ないケースも有るわけです。

十分な知識を持っていない持っていないと疑われるFPも多いです。そして、尚悪いことに、意図的にバイアスのかかった情報を流すような悪質な人すらいるようです。

結局、情報を受け取る側のリテラシーも必用だと言うことでしょう。もっとも、情報を受ける側がリテラシーを持ったら、多くのFPは廃業でしょうけどね。

結局、自分で勉強する必要も有るっていうことでしょうかね。

ある程度のお金の知識は身につけておこう

FPと呼ばれる人のお金に関する知識は、かなり怪しいケースも有ります。でも、素人がそれを見抜こうと思っても、難しいことも多いでしょう。

例えば、「個人向け社債が良い」とか「日本国債が不安だから外貨預金も買うべき」というような形で断定的に入れらてしまうと、そういうものかと思ってしまいますよね。ちなみに、「個人向け社債」も「外貨預金」も、どちらかと言うと筋が悪い金融商品ですけどね。

この手の「微妙な」情報を発信してくるのは、FPに限りません。金融機関もかなり胡散臭いセールストークをしてくるケースもあります。

これに対抗するには、自分でもある程度の知識を持っておくべきでしょう。そのためには、3級レベルでいいので、FPの知識を身につけておくべきでしょう。

ゼミネットが提供するネットを使った講座では、かなり格安でFP2級、3級の学習が可能です。

本を読んで勉強しても良いのですが、知らない分野を活字情報だけで勉強するのはちょっと大変ですよね。そんなケースでは、この手の格安の講座が役立つはずです。

まあ、興味があれば、試してみてください。

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