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元本保証の金融商品が好きな人は多いけど、そもそも元本保証って何だろう

世の中には、「元本保証」と呼ばれる金融商品があります。でも、この元本保証という言葉は、実はかなり曖昧なものです。

極端な話ですが、個人の借金ですら、元本保証と呼べないことはないのです。どういうことなのか、具体的に見ていきましょう。

「元本保証」を求める人は多いが、「元本保証」が何かを分かっている人は少ない

世の中には、リスクのある金融商品が何よりも嫌いという人がいます。当然ですが、そういう人は、元本保証の金融商品を求めるようです。

実際このサイトにも、「資産運用 元本保証」で検索してくる人は少なくありません。やっぱり元本保証って、好まれるみたいですね。

でもちょっと待ってください。元本保証ってそもそも何なのでしょうか。あなたはちゃんと理解していますか?

どんな状態なら元本保証と呼ぶのかを冷静に考えてみると、なかなか説明が難しいことに気づきます。元本保証といえるのかどうか、グレーなケースが多いからです。

さらに、極論すると、個人の借金ですら元本保証と言えなくはありません。逆に元本保証の金融商品なんて、この世に存在しないという言い方すらできてしまいます。

どういうことなのでしょうか。

金融用語のサイトの定義は曖昧

言葉の定義を知るにはまずは辞書だろうと思い、国語辞典を調べてみました。しかし、元本保証という項目は見つけられませんでした。

金融関連の用語の中では元本保証は日常的に使われる語です。この語が無いのはちょっと意外でした。

次にウィキペディアも調べてみましたが、ここにも項目はありませんでした。もしかしたら元本保証というのは、厳密な定義が無いフワッとした言葉なのかもしれません。

次にネットで、金融の用語集をいくつか調べてみました。その結果、それぞれの解説で微妙な違いがあることがわかりました。調べれば調べるほど、元本保証という言葉の意味があいまいになっていく感じがします。

言葉の定義が全く存在しないと、それに対する考察もできません。そこで、具体的な定義を一つ挙げて説明しましょう。

信頼できそうなところで、金融機関の用語集の定義を引用しましょう。みずほ銀行のサイトの用語集によると、元本保証は次のように定義されています。

元本保証(がんぽんほしょう)
預金などで支払時に元本が満額支払われる保証がされていることをいいます。

天下のメガバンク様のサイトなので、よもや間違ったことは書かれていないでしょう。

でも、この短い分の解釈は、なかなか解釈が難し気がします。といか、かなり曖昧だと思うんですよね。

預金や個人向け国債は元本保証といえそうです

例えば元本1,000万円以下の普通預金のような商品は、この定義では元本保証と言っていいでしょう。

預金は利息がつくだけですから、どうやったって元本割れはしません。その上、万が一金融機関が倒産しても、国の仕組みとしての預金保険という仕組みが保護してくれます。

預金保険というのは、元本1,000万円とその利息までは、銀行が破綻しても保護されるという仕組みです。ですから、元本保証という言葉の定義にぴったり合うわけです。

個人向け国債も元本保証と言っていい

個人向け国債なども、まあ元本保証と言ってもいいのでしょう。

個人向け国債なら途中解約しても、元本割れは無いようになっているからです。また、国が発行している債券ですから、日本国による保証があるという言い方もできます。

まあ、おおむね、みずほ銀行のサイトの定義にあっていると言っていいでしょう。

もちろん、国が破産するようなことがあると、元本が戻ってこない可能性が無いわけではありませんけどね。ただ、日本国の今の状況から言って、そういうケースはまだ想定の必要は無さそうです。

元本保証に見える商品でも元本が保証されないことも

でも、それ以外の金融商品だと、元本保証に入れていいのかどうか、判断に迷うものが多い気がします。用語集などで元本保証の商品の例として挙がっている商品でも、本当に元本保証といえるのかちょっと疑わしいものもあるのです。

社債は元本保証なの?

例えば社債は、元本保証の金融商品だとされることが多いようです。確かに、発行する会社は元本を保証していますから、経営に問題が無ければ元本は返ってきます。

でも仮に経営に行き詰まったら、投資したお金が戻ってこないこともありますよね。社債を発行している会社が倒産するようなケースがあったら、投資家にはお金が戻らない可能性があるのです。

分かりやすい例が、東日本大震災後の東電社債です。このケースでは政府が事実上救済しましたから、社債は何とかデフォルトを免れました。でも政府の対応しだいでは、一部のお金が戻ってこなかった可能性も捨て切れません。

これは、「元本が満額支払われる保証がされている」といえるのでしょうか。

ギリシャ国債は元本保証のはずだった

もう一つ例を挙げると、ギリシアの国債もそうですね。

ギリシア国債も発行した通貨建てベースではギリシア政府によって元本は保証されていました。でも結局は、元本が返ってこないケースもあったのです。

こうなってしまうと、果たしてこれらの債権は元本保証と言えるのかというのは疑問ですよね。

みずほ銀行の表現でも、「支払い時に元本が満額支払われることを保証」と書かれています。確かに、債権を発行した組織は保証はしているのですけどね。その組織に実力がないと、保証なんて有名無実といえるのです。

貯蓄型の生命保険も微妙

これ以外にも例はあります。貯蓄性の高い生命保険などもそうですね。養老保険や学資保険などは、満期まで持てば、元本割れしないことになっているケースがほとんどです。

ただ、契約では元本割れはしない商品だったとしても、生保会社の倒産で元本割れという事がありえます。というか、かつて生保会社の倒産で元本割れした貯蓄性の高い保険もあったのです。

満期まで解約しなければ元本は約束されていたはずなのですが、倒産によりかなり戻ってくるお金がかなり減りました。

さらに極端な例としては

もっと言うと、安愚楽牧場のオーナー制度も、元本保証的な仕組みを作っていました。元本保証と言ってしまうと法に触れるはずなので、明言はしていませんでしたけどね。

民主党の海江田代表は、以前はっきりと元本保証と書いてしまったみたいですけど。(余談ですが、この人を見ていると、民主党の経済政策には不安しか感じません。なにせ、彼が経済通らしいですから。)

和牛のオーナーの皆さんが今どうなっているかは、新聞などが伝えるところです。

まあ、世の中で言われる元本保証なんてこんなものです。明確な定義が無いのですから。自分たちが保証するといってしまえば、元本保証といえなくも無いのです。

誰かが保証したら、元本保証商品の出来上がりってことか

最後に、さらに極端な例を。

社債が元本保証なら、個人の借金も元本保証になるよね

仮に社債が元本保証になるのなら、個人の借金も元本保証になってしまいます。社債の元本を保証しているのは、社債を発行している企業です。一企業が元本は保証しますといっているに過ぎません。

ということは、個人がお金を借りるときに、借主が元本を保証しますといったとしたら、状況としては似たようなものでしょう。借り手が元本を保証しているという事実は同じです。

例えば、AさんがBさんから、お金を100万円借りたとします。もしAさんが返済できなかったときには、Aさんの兄のCさんが肩代わりをするという約束をつけていたとしましょう。

これだって、形の上では元本保証ですよね。第三者の保証がついているという意味では、社債よりもちゃんとした保証であるという言い方すらできます。

でも、こんな状況でBさんがお金を貸すとして、「元本保証だから安心」なんて思うはずがありません。どのくらい確率が大きいかは別にして、貸したお金が帰ってこないケースも想定してお金を貸すことになるでしょう。

全ての個人の借金は元本保証なのか?

そもそも、お金を借りるときに、「元本を保証しません」なんていう借主は絶対にいません。だって、そんなことをしたら、お金なんて貸してくれませんから。

ということは、ほぼ全ての個人の借金は、元本保証ということになってしまうわけです。

もちろん、こんなのは屁理屈ですよ。でも、もともとの元本保証という語の定義がそれだけあいまいだということです。

元本保証だからリスクが無いと思ってはいけない

一般に元本保証と呼ばれる商品に投資するのは、必ずしも悪い事ではありません。でも、元本保証と呼ばれるからといって、確実に元本が返ってくるわけではないのです。

この事実は覚えておいていいと思います。大事なのは、誰が元本を保証しているかです。

保証している人や組織に信頼がない場合は、元本保証でもリスクが大きい可能性が有るわけですね。上の東電の例のように、電力会社のような大企業ですら、お金が返ってこない可能性も有るわけですから。

もっと言ってしまうと、全ての元本保証の商品に、元本を回収できないリスクが存在します。例えば、預金保険が使える銀行預金だって、預金保険が破綻するなんて可能性は完全にゼロではありません。もちろん、そんな事が起こる可能性は、限りなくゼロに近いとは思いますけどね。

元本保証という商品を購入するときにも、元本が返ってこない可能性について考慮しましょう。元本保証という耳障りの良い言葉を信じすぎない事が大事です。

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