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ファンドラップを使うよりもバランス型の投信を使えば良いんじゃないの?

三菱東京UFJ銀行や野村証券のような店舗型の金融機関の商品に、ファンドラップと言う商品があります。いわゆるラップ口座の一種ですね。

ラップ口座と言うのは、簡単に言うと、資産運用を金融機関に丸投げするサービスです。最初に運用方針だけを相談し、具体的な運用は金融機関に任せてしまうのです。

ファンドラップは敷居が高い?

ファンドラップというのは、ラップ口座の中でも、運用対象を投資信託に絞ったものの事を言います。ちなみにファンドラップの場合、通常のラップ口座よりも低額で運用を依頼することができます。

本来のラップ口座は富裕層向けの商品です。しかし、このファンドラップは庶民向けの商品と考えて良さそうです。

具体的な最低受入額ですが、金融機関によって様々です。500万円から応じている金融機関が多いようですね。1,000万円以上というところもあるようですが。まあ、庶民でもがんばれば利用できるという金額設定だと思います。

もっとも、通常のラップ口座よりは低額とは言え、通常の投資信託など比べると、敷居が高く感じる人も多いでしょう。投資信託なら1万円もあれば始められますからね。

しかし、庶民にも意外と需要はあるようです。例えば、退職金などでまとまったお金を手にした人なら利用は可能でしょう。

それに、ラップ口座は全ての金融資産をまとめて運用してもらうというコンセプトの商品です。投資信託などと比べると、最低金額が高いのは自然な事と言えるでしょう。

手数料が高いのが難点

さて、このファンドラップですが、結構高い手数料がかかります。例えば、三井住友信託銀行の場合、2,000万円以下の部分に関しては、運用資産の1.47%が年間手数料としてかかります。

パーセンテージ表示だと、手数料が高いのかどうかわかりにくいですよね。そこで、金額ベースで考えてみましょう。仮に運用資産が1,000万円だとすると、年間14万7,000円の手数料がかかります。

ちなみに、この手のサービスは長期契約が基本です。10年預けると想定すれば、147万円も手数料をはらうことになります。こう考えると、結構な額ですね。

厳密に言うと、運用資産の残高は増減します。ですから、手数料も147万円にはならないでしょうけどね。イメージとしては、この程度の手数料がかかると思っていてください。

ファンドラップは運用する投信の手数料もかかる

実は、ファンドラップにかかる手数料はこれだけではありません。投資信託を持つのにも手数料は必要です。三井住友信託銀行のファンドラップの場合、投資信託の最大年率は1.3125%なのだそうです。

ということは、ファンドラップ自体の手数料とあわせると、年率で約2.8%の手数料がかかるわけです。1,000万円運用した場合、年間28万円の手数料がかかることになるわけです。

若手のサラリーマンの、1か月分の給料を手数料として払うのです。「それを上回るような運用成績が残せるのか?」というのが素朴な疑問ですね。

これだけの手数料を取られると上手くいく確率は小さい

一般的に、3%近くも手数料をられると、投資が成功する確率は小さくなります。これは冷静に考えてみれば、簡単に理解できるはずです。

例えば、現在の10年物の日本国債の金利は1%を切る水準です。と言う事は、長期金利の3倍もの手数料を取られる事になります。こんな状況で投資して、上手くいくはずがありません。

もう一つ例を挙げましょう。株式の期待収益率は年6%程度と考えられています。期待収益率というのは、確率的に考えると一年でこの程度増やす事ができるという数字です。つまり、仮に全て株式に投資したとしても、年6%しか増やせない事です。その半分も手数料を取られるのです。

こんな手数料を取られて、投資が上手くいくとは考えにくいですよね。少なくとも、かなり不利な条件の下で運用しているのはまちがいありません。

どんなに素晴らしいサービスが提供されるとしても、これではどうしようもありません。ファンドラップの利用は無条件で候補からはずして良いでしょう。

手数料を取られているのに気づかないのも問題

手数料に関しては、もう一つ大きな問題があります。それは、高い手数料をとられていることを投資家が気づきにくいと言う点です。

上に挙げたような手数料は、追加で投資家に請求されるわけではありません。運用している資産の中から勝手に引かれていきます。

この方法だと、追加費用を払う必要はありません。その代わり、取られている手数料がわかり難くなってしまいます。

実はこのことは、金融機関にとってはメリットが大きいと考えられます。というのも、運用資産から手数料を取れるので、手数料を確実に手にする事ができます。その上、手数料の高さが気づかれにくいのです。

まあ、運用資産から手数料を抜くのは、他の金融商品でも行なわれていることですけどね。私たち個人投資家は、どの程度の手数料が支払われているのか、意識しておく事が大事といえるでしょう。

これを意識しない個人投資家が多いので、金融機関に簡単にカモにされてしまうのです。

バランス型の投資信託を利用すれば良いのでは?

ここまで見てきたように、ファンドラップはいくら何でも手数料が高すぎます。それでは、これに代わるような商品はないのでしょうか?

実は、投資信託の中には、ファンドラップに近い特徴を持ったものがあります。代わりにこれを利用するという手もありそうです。

ファンドラップのエッセンスは何かと言うと、複数の投資信託を組み合わせて株式や債券、その他の金融資産に投資する事です。個人では複数の資産にバランスよく投資する事が難しいので、プロに運用を依頼するわけです。

ということは、株やら債券やらの複数の資産に投資する投資信託を買えば、問題は解決する事になります。とても簡単な事なのです。

こうした複数のタイプの資産に投資する投資信託は、実際に存在します。バランス型の投資信託と呼ばれています。

率直に言って、ファンドラップを利用するよりは、バランス型の投資信託を利用するほうが合理的でしょう。

バランス型の投資信託も比較的手数料が高いので、個人的にすごくおすすめできる商品と言うわけではありません。それでも、ファンドラップなどに手を出してしまうよりは、遥かに手数料は安いと考えて良さそうです。それに、中には手数料が安いバランス型の投信も存在しますし。

まとめ:

ファンドラップは手数料が高すぎると考えられる。
ファンドラップの代わりに、バランス型の投信を使う事が出来る。

2017年11月追記:手数料の安いバランス型の投信が増えています

最近になって、手数料の安いバランス型の投資信託が増えてきています。投資信託を考える時には手数料が大事という考えが一般的になってきてからでしょう。それに、「つみたてNISA」の導入に合わせて、手数料の安いバランス型投資信託の開発を急いだという経緯もありそうです。

例えば、三菱UFJ国際投信のeMAXIS シリーズには、「eMAXIS 最適化バランス」というバランス型投信があります。この投信には、リスクに応じて、(マイゴールキーパー、マイディフェンダー、マイミッドフィルダー、マイフォワード、マイストライカーという5つのタイプが用意されています。

この投信を使うと、自分が取りうるリスクに応じて、運用することが出来るのです。まさに、ファンドラップと同様の効果が得られるわけですね。

それにもかかわらず、手数料は年0.54%(税抜0.50%)とかなり安いです。3%近くかかる上で挙げた例に比べると、相当の差があることがわかりますね。

ちなみに、この投信は、SBI証券などで購入できます。SBI証券だと、積み立てにも対応しています。

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