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初心者向けの資産運用本にありがちな罠| 本を使って鴨を作りたいだけ?

自分の都合のいいデータだけを取り出して、それをもとに自説を強化しようと言う人がいます。ちょっときつい言い方をすると、自分に都合の良いデータだけを見せることで、相手を騙そうというわけです。

その分野に関するある程度のリテラシーがあれば、この手のごまかしには騙されないでしょう。でも、その分野の素人だと、対抗するのは難しいかもしれません。

著者に都合の言い情報だけで誘導?

先日、老後資金に備える為の資産運用の本を読みました。しかし、その本を読んでいて、イライラしてきました。

どう考えても、アンフェアに思えたのです。著者が自分の主張にに都合が良い情報だけを提供し、無知な読者を騙そうとしているような感じがしたのです。

正直に言って、多少憤りを覚えます。知らない人を騙そうというのは、やっぱり人としての見識を疑いますよね。

とは言え、書籍や著者を個別に攻撃する事は考えていません。ですから、書名などは敢えてあげません。

ただ、こういう本が多数存在する事は、認識しておいて損は無いと思います。騙されて損をするのは、読者ですからね。

お金を出して本を買って騙されるなんて、こんなバカバカしい話はありません。

手数料の安いファンドを紹介しない不思議

どんな事が書いてあったのか、もう少し具体的にいくつか見てみましょう。

本の中で、老後の準備のために投資信託を利用する事をすすめています。具体的な商品名も挙げて紹介しているのですが、手数料の安いETF やインデックスファンドを紹介していません。

逆に、少し手数料が高いファンドを紹介している印象があります。

投資信託について勉強したことがある方はご存知かもしれませんが、投資信託の手数料の大きさは、実は一本ごとに全然違います。同じ日本株に投資する投資信託でも、手数料が10倍程度違うことすらあるのです。

ですから、投資信託において手数料は、投資の成果を左右する大事な要素です。そこで、明らかに有利な手数料が安い投資信託を紹介しないのは、何か意図があるように思えてなりません。

ちなみに、この著者は、かつて外資系証券会社の重役だったようです。その事との関係を疑ってしまいます。

というのも、金融機関にとっては、投資信託の手数料が金融機関にとっての売上なのです。ですから、金融機関としては、手数料が高い投資信託を売りたいのです。

その結果、手数料が高い投資信託を勧めてくる事が珍しくはありません。本当に顧客を重視しているのなら、私たち投資家にとって有利な、手数料の安い投資信託を勧めるべきだと思うのですけどね。

詳しい説明も無く店舗型の大手証券会社をすすめている

もう一つ。

投資信託を買うときに、店舗型の大手証券会社を使う事をすすめていました。しかも、詳しい説明もなくです。

店舗型の証券会社で投資信託を買うと、同じ投資信託でも販売手数料と言う手数料が「余分」にかかることがあります。なぜ「余分」にかかるのかと言うと、ネット証券で同じ投資信託を買った場合、販売手数料がかからない事があるのです。

これは、販売手数料は、金融機関がある程度自由に設定できるからです。同じ投資信託でも販売手数料が買い付け金額に対して0%のものもあれば、3%のものもあるという感じです。

一つ具体例を見てみましょう。「フィデリティ・USリート・ファンド B(為替ヘッジなし)」という投資信託があります。比較的人気のある投資信託のようです。

この投資信託の販売手数料は、実は、0%から3.0%までの幅があるのです。具体的には、マネックス証券、松井証券、岡三オンライン証券の3社は販売手数料が0%でした。

しかし、大半の金融機関(特に、店舗型の)では2.5%以上の販売手数料を設定しています。これは、かなりの差です。

必要の無い手数料がかかるのですから、当然、店舗型の証券会社で買うことは投資家にはマイナスです。

ちなみに販売手数料と言うのは、購入する投資信託に対してかかる手数料です。例えば、3%の販売手数料がかかるとすると、100万円分の投資信託を買うと、3万円の手数料を取られるということです。

3%というと大したことが無い気もしますが、3万円と考えるとバカにできない金額ですよね。実はかなり大きな手数料なのです。

この手数料は払う価値があるのか?

なぜ手数料を払っても、大手の店舗型の証券会社を使うのがいいのでしょうか。合理的な理由があれば、高い手数料も止むを得ないでしょう。

本の中では、基準価額が大きく下がったときに店舗型の方が顧客サービスがいい、というような事が本の中では書かれていました。でも、これって、本当でしょうか。

顧客が損をしようとも、そんなに対応が違うはずがありませんよね。損失補填でもしてくれるのなら、話は違うんですけどね。制度上、そんなことはできませんし。

よく聞く話だと、投資信託の基準価額が暴落すると、営業に違う投資信託に乗り換えるように勧められるのだそうです。投資信託を乗り換えると、また販売手数料が支払われることになるので、金融機関にとってはメリットがあるのです。

でも、手数料を支払うわけですから、私たちにはマイナスですよね。当たり前の話ですが。

こうした営業を、顧客サービスなどと呼んでいるのでしょうか。何にしても、非常にバランスを欠く記述だと思います。

ここでは投資信託の例を2つ取り上げましたが、それ以外にも、アンフェアだと思う点がいくつも見られました。そのたびに、「イラッ」とさせていただきました。

難しいでしょうけど注意しましょうね

この著者は、イギリスでMBAを取っています。その後も、外資系証券会社の重役を務めているようです。

その意味では、経験が豊富な感じがします。ですから、その肩書きから、書いてあることを信じてしまう人も多いでしょう。

でも、書いてあることは、かなり偏見がありご都合主義的です。はっきり言って、読むことによる害も大きいと感じます。というか害のほうが大きそうです。

できることなら投資初心者の人は、こういう本を避けるべきでしょう。立派な人が欠いていると思って、頭から信じてしまったら悲劇的です。

ただ、投資初心者には、この本が良い本かどうかを見分けるのは簡単ではありません。そこが難しいところなんですけどね。

何にしても、肩書きだけで判断するのは、大変危険です。

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