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発行体の財務状況が悪いとき、既発債の市場価格はどうなる?

債券というのは、市場で売却することが可能です。あるいは、すでに発行されている債券を市場で購入することも可能です。

このときの債券の市場価格と言うのは、債券を発行しているところの財務状況と関連があります。そのあたりを確認しておきましょう。

マスコミの人などを見ていると、どうもこの部分が理解できていない人が多いようなのです。

発行体の財務状況と債券価格の関係

FP3級の正誤問題に、次のような正誤問題がありました。2017年5月の学科試験です。

一般に、債券の発行体の財務状況の悪化や経営不振などにより、償還や利払い等が履行されない可能性が高まると、当該債券の市場価格は下落する。

この記述を元に、財務状況と債券価格の関係を考えていきましょう。

まず、簡単に用語の確認をしておきましょう。

発行体と言うのは、債券を発行しているところの事ですね。社債だったら特定の企業ですし、国債だったら日本政府です。

また、償還と言うのは、債券を持っている人に借りているお金をすべて返すことです。償還のタイミングはあらかじめ決まっていますが、発行体の都合で繰り上げることも可能です。

買いたい人が居なければ、当然価格は下がります

この記述が正しいかどうかは、次のように考えると分かるのではないでしょうか。

具体的に考えるために、問題の債券がA社が発行する社債だとしましょう。A社の経営状態が悪く償還や利払いが不確実になったとします。

当然ですが、そんな会社が発行した債券なんて欲しいと思いませんよね。欲しいと思う人が減るから、価格が安くなるわけです。価格を安くしないと買ってくれないわけですね。

これは、需要と供給の関係を考えれば当然です。あるモノを欲しい人が減れば、価格は安くなるというだけの話です。発行済みの債券も、全く同じことなのです。

ということで、今回の記述に関しては正しいと考えて良いわけです。

新聞やテレビはこのレベルの話が理解できていないのだろうか?

ここまでの話って、すごく当たり前のことですよね。でも、マスコミの人たちはこの当たり前の議論が理解できていないようなのです。

というのも、マスコミは経済ニュースの中で「国の借金が800兆円あって、日本はギリシャみたいになる」とか「財政破たんが懸念される」いうような報道をしていますよね。ところが、上に書いたような事が理解できていて、しかも論理的に考えられたら、ギリシャのように財政破たんするという部分には疑問を持たないとおかしいのです。

というのも、現在の日本の国債の金利って、10年物でも0%に近い数字ですよね。ということは、日本の国債は非常に人気があって、国債の価格はとても高いという事ですよね。

つまり市場関係者は、日本の財政状況が悪いとは露程にも思っていないという事です。日本の財政に不安を持っている人が多いとしたら、金利がゼロになってなるはずはありません。

つまり、「財政破たんが」とか「日本がギリシャに」などと煽っている人たちは、日本の国債が人気があるという事実を不思議だと思わないとおかしいはずです。自分たちの主張が正しいとしたら、この部分を説明しないと全く説得力が無いですよね。

それでも、日本のマスコミは、この矛盾に関して十分な説明を行っているとは思えません。単純な国債の残高の数字を挙げて、「財政破たん」とか「日本がギリシャに」とか書いているだけなのです。

分かっているのにバカのふりをしてるだけなのか、本当に分からないのかは知らないですけどね。

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