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FXがハイリスク・ハイリターンだって?| 専門家って結構いい加減なんだね

山崎元氏のコラムを読んでいたら、次のような記述を見つけました。かなり興味深い指摘なので、ちょっと考えてみましょう。

実は、投機を「ハイリスク、ハイリターン」と説明する誤りは、商品先物業界や時には金融界でも存在する。

高いレバレッジを掛けた取引で成功した場合に「ハイリターン」が実現することは間違いないのだが、「ハイリスク、ハイリターンの法則」でいうハイリターンは、リターンの「期待値」が高いことを指すのであり、商品先物取引やFX(外国為替証拠金取引)のようなものを「ハイリスク、ハイリターン」と形容することは適切ではない。1

ちょっと難しいかもしれないので、補足説明したいと思います。

FXはハイリスクだがハイリターンではない

投資の入門書などを見ていると、FXはハイリスク・ハイリターンと書かれていることがあります。しかし、山崎氏の指摘の通り、FXをハイリスク・ハイリターンと書くのは明らかな間違いなのです。

専門家面をしている人が平気で間違えるのは困りものですが、引用した個所に書かれている通り、こうした間違いをしている人は多いようです。私自身、何度か見かけたことがあります。

FXをハイリスク・ハイリターンと考える人の多くは、おそらく、FXは大きく儲かる可能性があるのでハイリターンと思い込んでいるのでしょう。感覚的には分からなくはありません。

しかし、リターンの本来の意味からするとFXをハイリターンと考えるのは、完全に間違っています。なぜならFXのリターンはゼロであると考えるべきだからです。

「ハイリスク・ハイリターン」と言った場合の「リターン」という語は、引用個所に書かれている通り「期待値」です。期待値というのは、この場合、将来の「儲け÷元本」の平均のことですね。

FXの場合はゼロサムゲームですから、トータルの儲けはゼロです。誰かが損をすれば誰かが得をするというゲームですからね。ですから、期待値という意味でのリターンはゼロとなるのです。言うなれば、FXは「ハイリスク・ゼロリターン」というべきなのです。

FX以外でも、商品先物などの場合はゼロリターンと考えるべきでしょう。

プロでも間違える

ハイリスク・ハイリターンという語の御用ですが、山崎氏の指摘のようにプロでも間違っている人がいるようです。Yahoo!ニュースを調べていたら、思いっきり間違えている記事を見つけました。

ICBCスタンダードバンク東京支店長の池水雄一氏が推奨する金投資は、昨年に登場した先物の新商品「東京ゴールドスポット100」だ。

「今、非常に人気ですよ。100gの円建て金の先物ですが、最大の特徴は、為替のCFDと同様にロールオーバー、つまり翌営業日に自動的にポジションが持ちこされる点。先物には限月という期限があり、その日が来たら反対売買をして決済しなければならない。このタイミングで含み損が出ていて、もう少し待てば値を戻すかも……と思っても、決済するしかないのです。ところが、この商品はポジションを保有したまま金に投資できます。加えて、約40倍のレバレッジが効くので、少額資金でも効率のいい投資が可能。現在レバレッジ25倍のFXよりも、ハイリスク・ハイリターンを狙えます」2

金自体は何か価値を生み出すわけではありませんから、ハイリスク・ハイリターンという概念で論じる事自体が間違いです。そのうえ、リターンがゼロのFXを引き合いに出しているわけですから、その部分でも間違っています。

池水雄一氏がどんな人なのかは存じませんが、記事の内容を見る限り、ハイリスク・ハイリターンの定義を知っていないとまずい人のように思われます。そんな人でも間違えてしまうわけですね。

これ以外にも、経済系の記事やコラムの中には、この手の間違いが結構あるようです。経済ライターやファイナンシャル・プランナーの知識はこの程度だということですね。


  1. 第154回 誤解に満ちた「投資」と「投機」
    山崎元「ホンネの投資教室」 2011年8月5日 []
  2. 金の三賢人が伝授する、今もっとも稼げる手法がコレだ!
    HARBOR BUSINESS Online 2016年8月3日 []

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