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荻原博子って人は大丈夫なのか?| テレビに出て偉そうに語っていますけど

東洋経済に「投資初心者は「投資信託」より株を買いなさい」という記事が載っていました。荻原博子という方の記事です。テレビでよくコメントしている方ですよね。1

でも、この記事が酷い酷い。ちょっとでも勉強したことがある人なら、とても読めたものではありません。

生命保険などに関しては、この方のコメントにも、聞くべきものがあるんですけどね。投資関連に関してはいくら何でもという感じです。

名指しで批判するのもどうかと思うのですが、やっぱりあまりにも酷いです。そして、雑誌サイトに載せているということは、批判を受ける覚悟はあるということでしょう。

ということで、何箇所か引用しながら反論してみたいと思います。

引用している例が卑怯

まず最初はこの部分です。

金融機関に行くと、「初心者は、株よりも投資信託がいい」と勧められますが、それを鵜呑みにしてはいけません。かつて、ITバブルの絶頂期の2000年に、野村証券が100周年記念で社運をかけて「ノムラ日本株戦略ファンド」という空前の規模の投資信託を売り出しました。当時、1兆円ファンドともてはやされたので買ってみましたが、見事に約40%も目減りしました。これで初心者が、かなりダメージを受けたとおもいます。

この書き方は非常に卑怯です。

確かに日本株戦略ファンドの運用は、当初うまく言っていませんでした。短期で損切りをした人の中には、大きな損失を出した人もいるでしょう。

でも、失敗した投資信託を一つだけを持ち出して、投資信託の全体を批判するような書き方はおかしいはずです。失敗した投資信託があれば、大もうけできた投資信託もあります。

一つの失敗例だけをもって、「初心者は、株よりも投資信託がいい」という提案の批判をするのは、さすがに雑すぎます。投資信託でも大損することがあるというだけの話なのです。

株式を使った投資信託の場合、基本的には、分散投資をすることによりリスクを抑えることが可能です。こうすることで株式投資のリスクを抑えられるのは、金融のいろはの「い」です。

リスクを抑える方法があるのにもかかわらず、リスクが大きいと煽るだけなのはいかがなものなのでしょうか。

最後に一つ、決定的な反論をしておきましょう。

日本株戦略ファンドは大きく下げました。でも、ゼロにはなっていません。最近は基準価額も戻ってきています。超長期で持っていれば、投資信託設定の時期に買った人でも大損はしていないのです。1割程度元本われしているという程度の話です。

逆に一部の株式は、企業が倒産してしまい完全にゼロになっています。10万円投資しようが1億円投資しようと完全にゼロです。リスクの大きさは全然違うのです。

ゼロになる可能性がある株式投資と、ゼロになる可能性のきわめて小さい投資信託の差は歴然です。

投資信託が配当金を受け取れないと思っているのはさすがに酷い

投資信託の仕組みを分かっていないと思われる指摘もありました。

一方、株は、値下がりして塩漬けにしておいても、会社の業績さえ悪くなければ定期的に配当をもらえる可能性があります。

この批判の意味が分からないんですよね。っていうか、この方は投資信託の仕組みが分かっていないのでしょうか。

株式の投資信託なら、投資している企業からの配当金は投資信託も受け取ります。そして、受け取った配当金は基準価額に反映されます。投資信託を買っている人が直接目にしないだけの話です。

ですから、株式だから有利ということは全くありません。企業からの配当金の受け取りという意味では、同じなのです。

基本的な仕組みが分かっていたら、絶対に出てこない批判です。

誤解に基づく記述をもう一つ。

今、東証1部上場企業の株価に対する配当利回りは平均で1.6%前後です。もし、株価が上がりもせず下がりもせず15年間持っていたら、100万円は配当を含めて約120万円になります。つまり約20%増えることになります。

一方、投資信託だと、同様の条件で上記の「ノムラ日本株戦略ファンド」の場合、毎年2%の信託報酬を引かれ続けると、なんと80万円を切ってしまいます。20%以上も減ってしまうのです。

ここも同じですね。個別株だけに配当金が支払われて、投資信託に配当金が支払われないという前提が間違いです。

日本株戦略ファンドの信託報酬が高いのは否定しませんが、嘘はだめです。というか、そもそも知識が無い感じですね。

このレベルの人がテレビに出て、偉そうに解説しているわけです。

なぜ投資信託ではなく株という話になるのか疑問

リスクがいったいどこにあるのかわからないような金融商品を買うのではなく、初心者こそ、リスクのわかりやすいシンプルな株のような投資商品を選ぶほうが勉強になるのではないでしょうか。もし、それが面倒だというなら、無理に投資などする必要はない。

この意見も、かなり疑問を感じます。論理的な飛躍がすごいです。

まず、投資というのは勉強するためにするものではありません。儲けるためにするものです。ですから勉強云々言っている時点で、そのそも発想のスタートがおかしい気がします。

失敗することを前提に「初心者こそ、リスクのわかりやすいシンプルな株のような投資商品を選ぶほうが勉強になる」なんて書くのはおかしな話ですよね。

ちなみに、このパラ不ラフを書く前に、毎月分配型の投資信託の批判をしている箇所があります。この批判に関してはまっとうなものだと思います。私自身も、毎月分配型の投資信託を買うメリットはほとんど無いと思っています。

でも、一部の投資信託がおかしな仕組みになっているからといって、投資信託を全否定するのはどうなのでしょうか。一部の韓国人が嫌いだからといって、韓国全体に対してヘイトスピーチをするナショナリストと同じやり方です。

仕組みが分かりづらい投資信託がだめなのなら、仕組みが分かり易い投資信託を買えばいいのです。具体的には、比較的仕組みが分かりやすい、インデックスファンドやETF のような投資信託も存在します。

投資初心者を心配するなら、仕組みが分かりやすい投資信託を勧める方が理にかなっていると思うのですが。彼女の中では、理屈が違うのでしょうか。

投資しないことのデメリットを分かった上で言及していない

最後に「投資しなければ、少なくとも表面上は財産を目減りさせることはない」という記述もありました。

これって、投資しないことのリスクを自分で示していますよね。表面的に減らないというのは、実質的には減る可能性があると言っているのと同義ですから。

この方自身は、現金や預金の形で持っていたら、インフレで実質的に目減りすることを分かっています。でも、そのことには目をつぶっているわけです。

自分の主張に都合が悪い部分は無視しているようで、この点もかなり引っかかります。態度として真摯ではありませんよね。

投資信託に投資しないでインフレ対策ができるというのなら、その方法を示すべきでしょう。その部分を見なかったことにして、自分に都合のいい結論だけを書いている気がします。

実際、投資信託や株式を使わないでもインフレ対策をする方法はありますからね。それを書けばいいのに、書かないのは何故なのでしょうか。

これまた、知らないだけなのでしょうか。

事実に反することを書くのはだめ

雑誌の記事なので、テレビなどの意見に比べて、個人の主張が強く出た記事を書くのは問題が無いでしょう。でも、自分の主張に都合がいい事実だけを拾ってきているのは、いかがなものかと思います。専門家を名乗る以上、いくら何でも酷いです。

上に書いたように、その間違い方からすると、仕組みを分かっていない可能性も大きそうです。仮にそうであるとすると、それはそれで酷い話ですよね。

まあ、なんというか、あきれてしまう記事でした。でも、知名度がある方なので、有害だとも思います。


  1. 投資初心者は「投資信託」より株を買いなさい
    東洋経済オンライン 2015年10月10日 []

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