このエントリーをはてなブックマークに追加このエントリをつぶやくシェア

【知っておきたい】行動経済学の基礎知識

行動経済学ってどんなもの?どうやら、私たちの資産運用に役立つもののようです。

「経済学」と聞くとなんだか難しそうですが、その点も大丈夫。概念的な理解だけなら、数式なしでもできてしまいます。

実際にどんなものか、基本的な知識を整理してみましょう。

行動経済学とは

経済学の中には、行動経済学と呼ばれる分野があります。簡単に言うと、心理学を取り込んだ経済学といったところでしょうか。新しい分野です。

人間の行動は、経済的な合理性だけでは決まりません。しかし、従来の経済学は、経済的な合理性だけで行動する人を想定して、経済モデルを作ってきました。

これに一石を投じたのが行動経済学です。経済的な合理性だけでなく、感情にも左右される人間を想定し、研究をしているのです。

新しい分野なので、まだ十分に体系的というわけではありません。ただ、私たちの資産運用には、かなり活かせる部分もありそうです。

ヒューリスティクス

人間は物事を判断するときに、常に論理的に考えているわけではありません。直感的にすばやく判断を下すことも多いわけです。

そして、この判断がちょくちょく間違うことがあるようです。このヒューリスティクスの研究が、行動経済学の主要なテーマの一つです。

ヒューリスティクスの代表例としては、次の3つがあります。

  • 代表性ヒューリスティックス
  • 利用可能性ヒューリスティックス
  • アンカーヒューリスティック

代表性ヒューリスティックス

ある物事を判断するときに、その一部だけを見て判断する傾向があります。その一部が全体を代表していると思ってしまうわけです。

小さい確率の過大評価:あたった人だけを見て、自分も当たるのではないかと考える。客観的な確率の低さには目が行かない。

少数の法則:母数が小さいために、理論上の確率からかけ離れて見える。5割の確率で勝てるゲームで5連敗すると、イカサマであると感じるなど。

利用可能性ヒューリスティックス

人間には、心に浮かびやすい自称や記憶を過大に評価する傾向が有ります。これを、利用可能性ヒューリスティックスと言います。

例えば、飛行機というのはとても安全な乗り物です。移動距離に対する事故の確率は、自動車よりもよほど小さいのです。

それにもかかわらず、飛行機の方が危ないと思ってしまう人が少なからずいます。これは、かつての重大事故のイメージに引きずられているわけです。客観的な判断ができていないわけですね。

アンカーヒューリスティック

自分が最初に与えられた情報を基準に、物事を判断してしまう傾向があります。

例えば米ドルと日本円のレートが、1ドル100円だという情報を与えます。その後、人民元と日本円のレートを予想してもらうと、実際(16.59円/2019年3月19日)よりは高めの数字を出す人が多いでしょう。

アンカーヒューリスティックと関連すると考えられるバイアスには、「投影バイアス」「確証バイアス」(後述)などがあります。

行動経済学とバイアス

人の心にかかるバイアスを理解すると投資に役立ちます。バイアスというのは、偏りのことですね。

行動経済学では、次のようなバイアスがあることが分かっています。

【投影バイアス】人の行動は天気でも変わるのさ

選択は状況や雰囲気によって左右されます。と言われてもよくわからないでしょうから、例示してみましょう。

1週間後のおやつを何にするかを問うと、空腹時と満腹時では回答が違う。
空腹のときにスーパーに買物に行くと、買いすぎてしまうなど。

これらは、一種のアンカリング(上のヒューリスティックスの一つです)と考えられます。

とありあえず、節約法には簡単に利用できそう。例えば、スーパーに行く前には、軽くなにか食べておくだけで、買い過ぎを避けられます。

でも、これって、資産運用にどうやって利用するのでしょう。資産運用への応用という意味では、ちょっと微妙な知識かもしれません。

資産運用では、なにか応用できるでしょうか。気分によって左右される事を防ぐために、投資の方針を決めるタイミングと、実際の売買のタイミングをずらすと良いかもしれませんね。

そうすれば、気分で決めていた投資の決定を、抑制する効果があるかもしれません。まあ、衝動買いの可能性を小さくするという話ですけどね。

【「極端の回避」バイアス】安すぎると不安になる

選択肢が複数ある場合は、一番上と一番下は選ばない傾向があるようです。これを極端の回避バイアスと言ったりするそうです。

ちなみに、私自身もこの経験をしています。それをご紹介しましょう。

PCようにヘッドフォンが欲しいと思い、家電量販店に買いに行きました。PC用で使いたいだけなので安価なものでいいと考えていました。

実際に売り場に行くと、税込みで700円台のものと800円台のものがありました。今回の目的で行くと、これで十分です。無名なメーカーのものですが、一応は日本製のようですし。

ただ、ちょっと不安になり、1,000円を超えるヘッドフォンを選んでしまいました。実際問題として、700円台のヘッドフォンと1,000円のヘッドフォンのどちらが優れているかは簡単には判断できません。数千円、数万円のヘッドフォンと比べれば、どちらも玩具のようなものでしょう。

それでも、安すぎるものは、なにか不安になるのです。一応、2番めの価格帯のものを選ぶのが人間の性質のようです。

【確証バイアス】都合良い話しか聞かない

自分の判断を正当化する情報ばかり集める事を、確証バイアスと言います。これも実例を見てみましょう。

株を買った後、その企業のいいニュースばかりを集める人がいます。また、悪いニュースは重要度が小さいものだと判断することがあるようです。

これは、株式や投資信託で投資をしたことがある人ならよく分かるのではないでしょうか。自分の選択が間違っていない事を確認するために、その会社のいいニュースばかりに注目するのです。

入ってくるニュースは選別できないので、良いニュースを高く評価するようになるという言い方が正しいかな。逆に、問題があっても、それが小さいものだと思ってしまうわけです。

さらには、悪いニュースは、タイトルだけを見て読まないことを判断するというケースもありそうですね。

【後悔回避バイアス】選択肢が増えると選べなくなる

選択肢が多くなると、決断できなくなります。なぜなら、ベストの選択でないと後で気づいたときに、後悔するからです。

これはちょっと想像してみると分かるでしょう。

例えば、あなたが無地のTシャツを買おうとしているとします。素材や価格は同じで色が黒、白、紺の3色しかなければ、それほど迷わずに選ぶことができるでしょう。

しかし、100色の中から選べと言われたらどうでしょうか。ちょっと選ぶのは難しくなりますよね。

しかも、紺に近い色だけでも、インディゴブルー、藍色、コバルトブルー、ネイビーブルーなんていう品揃えがあったりするのです。この中から1つ選べと言われても、ちょっと難しいですよね。

こういう例を探すのは、難しくないでしょう。

ラーメンを食べに行ってすぐに注文したいのに、似たような名前のラーメンがズラッと並んでいるときなんて、困ってしまいます。極端な話、普通のラーメンとチャーシュー麺とタンメンくらいでいいのにと思うわけです。

商品のバリエーションを増やすのは、売る側の営業努力であるのは間違いありません。でも、そのことで、客に選びづらくさせている可能性もあるのです。

まさに本末転倒と言えるでしょう。

【保有効果】自分の持ち物に価値を感じる

自分の持っているものは、価値が高いと思う傾向があります。これを保有効果といいます。

例えば、自分の住んでいる地域の同じ広さ築年数のマンションの相場が2,000万円から3,500万円程度だとしましょう。このとき、自分のマンションの価値は3,500万円だと判断する。

ただ、仮に、自分のマンションが2000万円で売っていても、その値段でも買わない人が多いようです。資金的な余裕がある場合でも買いません。

【現状維持バイアス】変化を嫌うのが人の性

人間には、新しい行動をためらう傾向がある。新しい行動のメリットよりも、デメリットの方を大きく評価する。

例えば、今の勤め先が、いわゆるブラック企業だとします。しかも、雇用環境が良いので、転職を希望すれば比較的新しい職が見つけやすいとしましょう。

こんな状況でも、なかなか行動できないのが人間です。行動するのが難しい理由だとか、今のブラック企業の良い点だとか、転職活動をしない理由を自分から探してしまうのです。

【サンクコスト】支払い済のコストで判断が歪む

人間というのは、既に払ってしまった、回収の見込みのないコストに引きずられすぎる傾向があるようです。未練たらしい生き物なんですね。

これも例を挙げてみましょう。

クレジットカードで買い物をすると、ついつい買いすぎてしまう傾向があるようです。また、分割払いやリボ払いにすると、高い金利を取られます。

ですから、節約という観点で考えると、極力クレジットカードは使うべきではありません。本気で節約を考えているのなら、廃棄してしまうのがベストです。

しかし、クレジットカードなどの年会費を払ってしまった場合、廃棄をためらう人も多いのです。年会費の事を気にしないでカードを廃棄した方が節約のためになるとしてもです。

年会費という戻ってこないコストが気になって、判断を誤ることがあるわけですね。これが身近にあるサンクコストの例ですね。

フレーミング効果

表現の方法一つで、人々の反応が異なることが有ります。これをフレーミング効果といいます。

メンタル・アカウンティング(心の会計)

道で拾った1万円と、宝くじがあったって手にした1万円と、アルバイトをして稼いだ1万円の価値は、本来は同じはずです。どの1万円でも、買えるものは同じですからね。

でも、私たちは、これらを違うものだと考える傾向があるようです。例えば、拾って得た1万円は、簡単に無駄遣いする可能性が大きいでしょう。

このようなお金に対する感じ方の違いを、メンタル・アカウンティングと言います。

株式投資と行動経済学

行動経済学は心の動きと経済活動の関係を研究する分野です。ということは、当然ですが、行動経済学は株式投資にも関わってくるはずです。

分かりやすいのが、アンカリングでしょうか。買値や直近の高値に影響されて、なかなか売れない人は少なくないですよね。

それ以外にも、投資家にかかる様々なバイアスが、行動経済学で明らかになりそうです。

スポンサードリンク

まずは確定拠出年金(個人型)を検討しよう

個人の資産運用で一番有利な金融商品は、何と言っても確定拠出年金(個人型)でしょう。いわゆるiDeCo のことです。

普通に働いている人なら、年間数万円から数十万円の節税が可能です。もちろん、完全に合法です。こんなに有利な金融商品は、他には存在しません。加入がまだの人は、とりあえず検討だけでもしてみてはいかがでしょうか。

iDeCo をはじめるには、窓口となる金融機関を選ばないといけません。お勧めはSBI証券かマネックス証券です。とりあえずは、資料請求だけでも。

スポンサードリンク


このエントリーをはてなブックマークに追加このエントリをLivedoor Clipに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加このエントリをBuzzurl(バザール)に追加このエントリをつぶやくシェア

関連した記事を読む


コメントは受け付けていません。